【文スト】文豪学園男子寮3【学パロ】

第77話 ページ12

｢Aは何処じゃ？何故、此処には居ない｣

｢あのですね、お宅のお孫さんは今ご不在中でして……｣

｢逃げたのか!？｣

｢逃げていません……多分……｣

国木田さんが国木田さんじゃなくなってる……

前も思ったけど、Aさんのお婆さんは本当に元気だなぁ……

｢ねぇ、お婆さん。そこまで、Aを他の男と結婚させたい？それってさ、まるでAの幸せを奪うようで可哀想じゃない？｣

｢じゃが……向こうの孫が、Aと結婚したがっているのじゃ。｣

｢それは、婚約者の男が勝手に思っているだけでしょ？｣

正論だ……

僕も、少しやり過ぎかなと思ったけど、流石に怖くて乱歩さんのように言えなかった。

｢Aの幸せを本当に願っているなら、そのようなことはやめた方が良いよ、お婆さん。｣

Aさんのお婆さんは、乱歩さんに正論を言われてから、暫く黙ったままだった。

が、また口を開けてこう言った。

｢そうじゃな……私は、幾ら孫の幸せと言ってもしては良いことと、してはいけないことをしてしまったのう……
Aや、息子に私のような想いをして欲しくないばかりに。｣

｢失礼ですが……お若い頃に何かかあったンですか？｣

谷崎さんの問い掛けに、Aさんのお婆さんは黙ったまま、首を縦に振った。

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