【文スト】文豪学園男子寮 2【学パロ】

第44話 ページ4

─そンな……どうしても辞めなきゃ駄目ですか？

─前も言っただろう？“次、アンタが膝を故障してしまったら、走れなくなる覚悟を持っときな”って。

今のままでは陸上を辞めなければいけないかもしれない……だと？

そンなの……嫌だ。

『中原中也ー、今部屋にいるー？』

この声は、相坂か……

俺が今日、“八つ当たり”と言って良いくらいの言葉をぶつけちまったのに、よくへこたれずに俺の部屋に来るな……

｢あぁ、いるよ。何の用だ｣

ドアの向こうに向かって、俺は返事をした。

『あのさ、アンタの話……太宰さんから聞いたよ。』

太宰の奴！！彼奴、勝手に俺の話をしたのかよ！！

しかも俺の許可無しに！！最悪かよ！いや、サイテーかよ！！

『私、アンタのこと全く知らないで先刻あんなこと言って………ごめん』

｢………何で、手前が謝るンだよ。｣

謝るのは、俺の方だろ……

陸上を辞めなければいけないかもしれなくて、勝手に八つ当たりして、それで酷い言葉ぶちまけて。

｢俺の方がサイテーで最悪な男だよ。俺こそ、ごめん……｣

俺が謝った瞬間、扉がガチャッと開いた。

｢ビックリしたじゃねェかよ……急に開けるなよって、何で手前が泣いてンだよ！！｣

『だってぇぇ……』

いきなり泣き出す相坂に頭を撫でながら、ふと“フルネームじゃなくて、名前で呼ンでくれたら良いのに”と思ってしまぅた。

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