Sweet memory Ⅳ【中原中也】 (ページ9)

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翌日、妙子叔母さんは無事に退院をした。

｢本当に心配を掛けてごめんね。お医者さんから倒れた原因は疲労だって言うことを聞いた時は吃驚しちゃった｣

｢そンなに重い病気じゃなくて良かったです。｣

『私だって吃驚したよ。叔母さんが倒れたから……』

ふふふ、と叔母さんは笑った後、“私、お医者さんに挨拶をしに行かないといけないから、先に二人は病院から出ていて”と言った。

*♡*

病院から出た後、私は中也君に昨日の御礼を言った。

『中也君、昨日はありがとう。色々と……』

｢別に良いンだ。俺は当たり前のことを言っただけだ｣

中也君らしい言葉。

言うなら、“今”かな……

『あのね、中也君……私、貴方に言いたいことがあるんだ。』

｢言いたいこと……？真逆、俺への文句か？！｣

『違うよ！？そういう意味じゃなくて……』

“今言わないでいたら、いつ言うの?”

叔母さんが大分前に言っていたことを、ふと思い出した。

一旦深呼吸してから私は…………

『中也君、好きです！！出会った時からずっと……』

中也君に1年分の想いを伝え、後は彼からの返事を待つばかりだ。

まるでよくあるベタな恋愛ドラマみたいな、この光景。

中也君は顔を赤くしたり、視線を私から逸らしてから“実を言うと…………俺も好きなンだ、佐倉のことが”と言った。

この日から私と中也君は、友達以上恋人未満の関係から本格的な“恋人同士”になった。