前世の二人の相性は全く合いません【中原中也】

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｢まぁ、よろしくな。｣

A姫は、心の中で落胆していました。

肖像画の中也王子は凛々しく、優しい心を持った方のように描かれていました。

が、現実はそうとはいきませんでした。

現実の中也王子は、凛々しい顔に似合わずの口調で、更にAの心を落胆させました。

｢私の息子は少し口調が荒いけど、これでも良い子だから、よろしく頼むよ。A姫。｣

Aは中也王子のお父様の"鴎外"にそんなことまで言われ、"はい"としか言えませんでした。

｢私らは母国に帰るんじゃが、姫、中也をよろしく頼むぞえ。｣

『え、それはどういう………』

A姫は、中也王子のお母様の"紅葉"の言葉がよく分かりませんでした。

｢おや、聞いてなかったかのう？今日から、中也はこの城に住むのじゃよ。｣

これは真逆、真逆のことでした。

『(私が、この御方と住む………?冗談じゃない！！)』

｢何にも聞いてなかったンだな、思ったより馬鹿な姫だったみたいだ。｣

｢これ、中也。未来の花嫁にそんなことを言うのでは無いぞ。｣

A姫は、中也王子の何気ない一言に怒りを覚えました。

そして、"絶対、この人のことを好きになりたくない！！"とも思いました。

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