その結婚、偽装婚につき離婚届提出不可。【中原中也】

10:愛のない結婚 ページ11

A｢も、若しかして私………言ってませんでした？｣

中也｢言ってなかったな。｣

だって、俺今日初めてそういうこと聞いたもんな。

A｢話した方が……良いですか？｣

中也｢手前のプライバシーが大丈夫な限りな。｣

A｢分かりました……話します。｣

─私の母は、製薬会社の社長の跡取り娘らしく、私が三歳の時に実の父と離婚しました。まぁ、その父との結婚は政略結婚だったみたいで、母は父のことが好きじゃ無かったみたいです。

─それで何度か夫婦喧嘩をし、辿り着いたのが【離婚】でした。
父と離婚してからの母は、徐々に狂い始めて来て遂には五歳の頃、私に｢早くこの子が結婚すれば良いのに｣と言っていたのです。

─私は、その時よく母の言葉が分かりませんでした。何せ、未だ五歳でしたから。だけど、小学校高学年になって漸く分かったのです。

─"母は、離婚した父と私の顔が似ているから、早く此の家を出て行って欲しい"んだと。

A｢高校卒業後、私は母には内緒でマフィアに入り、今の状態となります。｣

愛のない結婚＿＿＿＿＿か。

そりゃあ、政略結婚だったらお互いを愛することが難しいだろうな。

中也｢一つ、質問がある。その後、手前は"マフィアに入った"と言ったが………どうやって入ったンだ？普通、軽々と入れねェだろ。｣

Aはキョトンとしてから、大笑いした。

何だ、何だ………？

A｢中也さん、覚えて無いんですか？私がマフィアに入った切っ掛けは中也さんなんですよ？｣

11:俺が切っ掛けかよ！！→←9:ん？

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