【学パロ】告白されるなんて聞いてない！【太宰治】

Confessions＊15 ページ15

｢うん、何だか柚原さんとぐんっと距離が近くなった気がする！｣

『"距離が近くなった"って……変なの。』

私が敬語無しで喋ったのを聞いた太宰君の感想が面白くて、思わずその場で笑ってしまった。

そんな私の姿を見ていた太宰君は｢柚原さん、やっぱり君は笑っている姿が素敵だね。｣と、相変わらずの調子で私にそう声を掛けてきた。

今まで私は、｢太宰治｣という人のことを｢人気者｣や｢変な人｣と思っていたけれど、実は凄く人のことをよく見ていて、そしてその人の良いところを見つけるのが上手な人なのかもしれない。

｢柚原さんは何処に住んでいるんだい？｣

『私は、夏目が丘っていう所に住んでいるの。太宰君は？』

｢柚原さんは夏目が丘に住んでいるのだね、私は夏目が丘と真反対の場所にある文吾っていう所だよ。｣

『そうなんだ。』

帰り道、私は断ったのだけれど太宰君が｢この時間に女の子一人じゃ危ないから｣ということで、家の近くまで送ってもらうことになった。

夏目が丘と文吾は場所が真反対なのに……

『この緑の白い建物で緑の屋根になっているのが私の家！』

｢可愛い家だね。昔、私達世代で流行っていたアニマルファミリーっていう小さな人形のお家みたいだ。｣

『それは昔からよく言われてたよ、"Aの家はアニマルファミリーの犬の家族が住んでいるお家みたいだ"って。』

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