俺の(料理ができない)家政婦【中原中也】

Housekeeper＊24 ページ24

男性の衝撃の一言で固まるA。

｢驚かせてごめんね、まだ信じられないよね。急に知らない人が"君の父親だ"って言うなんて……｣

苦笑いをする、Aの父親と名乗る男性であったが、びっくりしすぎて固まったままだったAがついに口を開けた。

『私……ずっと、本当のお父さんに会えないと思ってました……だから今、こうやって会えて私嬉しい……！』

矢張り、その男性はAの本当の父親であり、Aの母親が生前愛した人だったらしく、Aと男性──"本庄秋也"は感動的な再会をした。

その後、秋也は薫子と離婚をすることにし、本庄家との縁も切ることになったらしい。

Aはというと、これからは別の仕事に就き、秋也と一緒に過ごすのだとか。

それぞれが幸せな道へと進んでいく中、中也は複雑な想いを抱えていた。

｢中也、溜息なんて吐いてどうしたんじゃ？もしかして、Aとの契約が切れたから落ち込んでおるんじゃろう。だから、私は"恋愛感情を持つのではないぞ"と言っておいたのに……｣

｢まだ俺は何も言っていないじゃないですか……Aが俺の家政婦じゃなくなった今、少し寂しいなと思っただけですよ。｣

｢ほう……そうか、ならそんな御主に良い奴を紹介してあげよう、入ってよいぞ。｣

隣にいた紅葉が、急に中也に｢良い奴｣と言ったので、どういうことかが全く理解出来ていなかった中也。

すると、扉を開け入ってきたのは……

『中也さん！』

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