【学パロ】私と一匹狼君っ！【中原中也】

一匹狼と嬉しかった ページ18

俺はまた、やってしまった。

手放したくないと思った奴を、“傷つけたくないから”と言う理由で、自分の元から離れさせてしまった。

こンなの、1年前と同じじゃねェかよ……

俺って、本当馬鹿だな。

こンな俺を、笠原は見捨てずにいつも｢中原君！｣と話し掛けてくる。

それが、どンなに嬉しかったことか……

｢中也、ここにいたんだ。全く……笠原さんが物凄く悲しそうな顔をしていたよ？｣

｢……俺には関係ねェよっ……｣

｢またそういうこと言って、こんなんじゃまた1年前と同じだよ？｣

俺に嫌味を言ってくる太宰。

そンなこと、とっくに分かっている。

分かっているから……

夜──茉優と同じ部屋の私は、ずっとボーッとしていた。

｢A、何かあった？｣

『うん……ちょっとね……』

私がそう言うと、茉優は｢もしかして、中原君のこと？｣と聞いてきた。

す、鋭いな……茉優は。

｢矢っ張りそうか……A、あの時から中原君とギクシャクしているもんね。｣

『あー！茉優、どうしよう……今日やっと中原君と話せたのに、今度は私が中原君を突き放しちゃったよ……』

｢ねぇ、A……1年前にあったある出来事の話をして良い？｣

『うん、良いけど……』

茉優は私の隣に座ってから、1年前のとある出来事を話してくれた。

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