【刀剣乱舞】成り代わり鶴が本丸で奮闘する話【３】

青海波 ページ20

練度の低い三日月が一人戦場ルートから外れた山道を彷徨ってる時点でおおよその事情を察した彼らは、三日月の求める救援にすぐさま答え、鶯丸の元へ向かった。

と言っても、彼らも彼らで飛ばされたはずの仲間を探しているところだったので援軍に寄越せたのは小狐丸だけだったのだが。

それだけで十分だった。

小狐丸の強さも見たが、目の前の鶴丸もおそらく練度は上限に達している。

「ベテランの本丸に拾ってもらえるとは……幸運だったな」

天下五剣は引きの強さも持ってるらしい。

しかしはて？と首を傾げる。

「お前、そんな重傷だったか？」

「いや、なに」

起き上がった三日月は、止血こそしてあるものの左腕をどこかに落として来ていた。
死なないのはさすが刀剣男士といったところか。

三日月は鶯丸の疑問に恥ずかしそうに目を逸らした。

曰く、鶯丸の最後の記憶にもある通りかっこよく助けに入ったはいいが三日月では一撃で敵の首を跳ねるには至らず、結局返り討ちにされたところをギリギリ小狐丸に助けられ二人揃って抱えられることになってしまったらしい。

しこたま怒られたそうだ。そりゃそうだ。

「もう鶴さん、起きたら知らせてって言ってあったでしょ！」

「おっとすまんすまん」

話声を聞きつけた燭台切光忠が審神者を伴ってやって来た。
刀剣男士の強さからして相当なベテランと思っていたが、審神者は予想に反して主とそう年齢の変わらない娘だった。

「おおこの本丸の審神者殿か、あいすまない助かった。礼を言う」

「別に……」

素っ気なく返した審神者は三日月に端末を差し出した。意味がわからずパチリと瞬く。

「あなたちたちの本丸、の、担当に繋がってる」

「担当？」

「ごめんね。防犯の一環で交流のない本丸同士の間には担当が入ることになってるんだ」

「ほう」

キリッと真面目腐って返事はしてるが、実は三日月はまだ担当に会ったことがないのでよく分かっていない。察した鶯丸がその手から端末を抜き取った。三日月宗近そういうとこある。

「やあ担当ど…」

『鶯丸！！？ちょっ鶴丸さまが出たら担当を通す意味が…三日月さんも無事ですか！？A様まで！？っちょっ待って、返しっお二人ともステイ！！！』

カオスである。鶯丸の耳は犠牲になった。

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