方陣 ページ34
ぐしゃり。
淡々とした命令文書を握りつぶし、きちんと手入れを受けて元の色に戻った頭を抱えた。
深い深いため息が出る。
現在、政府内某所で私たちは事情聴取、という名の拘束を受けていた。
理由は簡単。
たとえどんな事情があろうとも、どんな関係の人間であろうとも、秘匿すべき刀剣男士と遡行軍の存在を知られてしまったから。
私がどこぞの大倶利伽羅と思わしき輩に足止めされている間、小夜は一人で主とその身内を守りながら遡行軍を殲滅していた、らしい。
らしい、というのは私が認識していた襲撃者の数よりも小夜が屠った遡行軍の数が明らかに少ないからだ。
小夜も襲撃者の少なさに違和感を覚えていて、私が頑張っているのだろうと思っていたようだが……。
つまり、あの場に私と小夜以外にも遡行軍を倒していた存在Xがいる。
まあ……まず間違いなくあの大倶利伽羅(仮)の仲間だろう。
意味がわからない。何がしたかったんだ。
死者を出したかったのならなぜコソコソと小夜に加勢するようなマネをした？
死者を出したくなかったのならなぜ私を拘束した？なぜ堂々と助太刀しない？
ああいや違うな。今考えるべきはそこじゃない。まずは、
「主のご家族は？」
「役人さんから説明を受けているそうです。……兄が……ちょっと暴れているようですが…」
そりゃ妹の関わってた先がこんな血生臭い世界じゃ、連れ戻そうともするだろう。
ご両親は早々に小夜が気絶させていたおかげで何も知らないのが唯一の幸か。
「最悪、記憶を消す、とのことで……」
記憶消去、といっても映画のようにお手軽なもんじゃなく、
「わ、私のことも忘れちゃうかもッ」
連動している記憶がもろとも無くなってしまうことだってある。
私のせいだ、私が残るって言ったから、と泣き出した主の手を小夜がそっと握った。
彼の猫目が私を見上げる。
そんな目で見られても、今手元にあるカードじゃ何も出来ない____本当にそうか？
「信じろ」
あの力強い声が呪いのように頭から離れない。
信じろってなんだよ。まるで、お前は私を信じてるみたいな目をしやがって。
“大倶利伽羅"にそんな目を向けられたら、どうしたって信じたくなるじゃないか。
私はさっきからずっと本丸からの通知の止まない端末を苦々しい思いで開き、そして、
間違えて押した連絡先名簿に一縷の希望を見出した。
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エメロン(プロフ) - mokohuさん» 新作公開楽しみにしています♪ (2022年11月2日 2時) (
レス) id: 36fa45d99d (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - 初坊(ういぼう)さん» ありがとうございます！！！そしてコメント気付かず一年近くスルーしてしまってました！すみません。 (2022年11月1日 9時) (レス) id: ca838a122b (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - エメロンさん» 別サイトまでありがとうございます。11月中には占ツクでも新作公開予定ですので！！ (2022年11月1日 9時) (レス) id: ca838a122b (このIDを非表示/違反報告)
エメロン(プロフ) - ホームページいってきました( ﾟДﾟ)ﾉ……成り鶴 奮闘記…更新楽しみにしています！ (2022年10月6日 13時) (レス) @page38 id: 36fa45d99d (このIDを非表示/違反報告)
初坊(ういぼう)(プロフ) - ひゃー、いつも楽しく読ませてもらってます！これからも更新楽しみに待たせて頂きます（´ω`*） (2021年11月20日 18時) (レス) @page38 id: 8f51cef084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mokohu | 作者ホームページ：http://nanos.jp/atlant2d/
作成日時：2021年3月27日 14時
