練度99 ページ4
パチリと小夜の猫目が瞬く。
「どう言う意味？」
「仲良くしろと、そう言われれば君はその通りに頑張るだろう。粟田口のように茶を共にしたりな」
「それはいけないこと？」
「いけなくはないさ。ただ、左文字と粟田口は違うってことだ」
現状、粟田口も鯰尾のことがあって一部和気藹々とは言えないけれど、鯰尾も戸惑っているだけで兄弟愛はあるようだ。
一期の方がもう少し落ち着けばやがて収まるところにおさまるだろう。
「小夜、原点に帰りな。君は兄弟仲がどうというよりもまず、江雪にどう思われてるのか知りたいんじゃないのか？千里の道も一歩から。いきなり兄弟らしくなんてしなくていい」
ぽいっとやっと剥き終わった最後のジャガイモを放って立ち上がる。あっ腰がっ
「兄弟だから最初から仲良くできるわけじゃない。兄弟だから仲良くなろうと頑張るんじゃない。
様々な関係を築く上で、兄弟という少し特別な名前が役に立つだけさ」
名前は一番短い呪だと言う。
名前とは、固有名詞にだけ付けられるものじゃないのだ。
「君が彼らと兄弟になりたいと思った時に、兄弟になれば良い」
少し難しかったか？
だんまりな小夜の頭を撫でくりまわした。よしよし可愛い可愛い。
「あの、」
「うん？」
話しかけられたので手を止めて乱れた髪を軽く整えてやる。
「もう少し、自分で頑張ってみます。でも、また相談していいですか…？」
「いつでも歓迎だぜ。一人でぐるぐる考えてるだけじゃ知らぬ間に追い詰められてたりするからな！」
「あんたが言うと説得力があるな」
「ただいま鶴さん、小夜ちゃん。皮むき終わった？」
「おかえりなさい」
食材の買い出し組が帰って来ていた。
ケビンの時のことは反省してるってば。
ひとまず調理は光忠と小夜に任せて、私たちは買ってきた品をしまいに行く。
砂糖、塩、小麦etc
全て業務サイズだから備蓄用の蔵があるのだ。
「……食えないじじい」
ドサリと小麦袋を下ろした大倶利伽羅が呟く。
「なんだって？」
聞き返せば白々しいと鼻を鳴らされた。
「小夜に江雪左文字を当てがったのはあんただろう」
「知ってたのかい」
どこか探るような目に苦笑して肩をすくめると、今度はため息を吐かれる。
「幸せが逃げるぜ」
「……戻るぞ」
誰のせいだと言わんばかりに睨まれた。
別に深い意味はないんだけどなー。
そうして厨に戻ってくれば、小夜がなぜか粉砕されたかわいそうな南瓜を手にしていた。
どうしたのソレ？？
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エメロン(プロフ) - mokohuさん» 新作公開楽しみにしています♪ (2022年11月2日 2時) (
レス) id: 36fa45d99d (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - 初坊(ういぼう)さん» ありがとうございます！！！そしてコメント気付かず一年近くスルーしてしまってました！すみません。 (2022年11月1日 9時) (レス) id: ca838a122b (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - エメロンさん» 別サイトまでありがとうございます。11月中には占ツクでも新作公開予定ですので！！ (2022年11月1日 9時) (レス) id: ca838a122b (このIDを非表示/違反報告)
エメロン(プロフ) - ホームページいってきました( ﾟДﾟ)ﾉ……成り鶴 奮闘記…更新楽しみにしています！ (2022年10月6日 13時) (レス) @page38 id: 36fa45d99d (このIDを非表示/違反報告)
初坊(ういぼう)(プロフ) - ひゃー、いつも楽しく読ませてもらってます！これからも更新楽しみに待たせて頂きます（´ω`*） (2021年11月20日 18時) (レス) @page38 id: 8f51cef084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mokohu | 作者ホームページ：http://nanos.jp/atlant2d/
作成日時：2021年3月27日 14時
