＊ ページ47
そのあとが面倒くさかった。
Aは芥川と敦の身の安全を約束されるまで手当ても受けないし土下座をやめなかった。
挙句の果てには、
「二人を見逃してくれないならここで爆弾飲み込んで自爆して毎晩枕元に立ってやる」
額を真っ赤に染めて北極の氷より冷たい声で告げた
片手に小型爆弾を掲げ、「やるぞ、いいのか、私は、枕元どころか夢にまで出てやるぞ」と脅した。
「判った、彼らの身の安全は私が約束しよう。
だから、どうか落ち着いて話をさせてはくれないかな」
お館様の柔らかな声で、自爆装置と化したAは漸く爆弾をしまった。
胡蝶に応急処置をされ、Aは芥川と敦の隣にちょこんと座る。
「さて、まずは手荒な真似を許しておくれ。
血鬼術のようなものを使う人間は初めて見るから、皆も混乱してしまったんだ」
「こちらこそ申し訳ございません」
Aは頭を三度下げる。
敦もそうしたが、芥川は従わなかったので問答無用で頭を掴んで下げさせた
「まず、名前を聞いても良いかな？」
「A、小泉Aです。
白髪の…声が幼い方は中島敦、声が低く今さっき騒動を起こしたのは芥川龍之介です」
産屋敷と名乗った男は、鬼を狩る組織、鬼殺隊の最高責任者。
そして後ろに控える彼らは柱と呼ばれる最も強い剣士だと説明された。
「鬼…それが私達が遭遇した化け物の正体なのですか」
「そうだよ。鬼は人間を遥かに上回る身体能力があるから、呼吸を使えるものでないと倒すことができない」
「だがお前らは」
先程手拭いをくれた人が口を挟もうとするので、Aは勢いよく手を上げた。
白髪の童女が目の見えない産屋敷の代わりにそれを本人に伝える。
「発言を許可願います」
「構わないよ」
「呼吸とはなんでしょう」
深呼吸過呼吸の親戚だろうか。
彼は優しく説明してくれた。
どうやら、水や炎の呼吸があるらしい。
とりあえずは理解できたが、恋の呼吸が出てきた辺りで考えるのをやめた。
奥が深すぎる。
「つまり私たちは」
「人間であるにも関わらず鬼しか使えねぇ血鬼術をつか…」
「私が話しているのですが」
「あ？」
「私が発言権を持っているのですが」
「…いや、慥かにそうだがお前らは」
「私が、発言権を、持って、いるの、ですが？」
余談だが、Aは肝が座っている上に死ぬほど気が強い。
太宰直伝、発言権を与えない威圧だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1091人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
