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「おかえり、想像より遅かったね」
「き…貴様ァ…！！」
太陽がすっかり昇った昼、山を降りたところにある茶屋にて、
汗まみれ泥まみれで下山してきた敦と芥川を迎えたのは、
優雅に茶をすする着物姿のAであった。
「貴様…面倒ごとを全て僕らに押し付けたなァ…！！」
「戦闘向きの異能持ってない私が逃げても足手まといになるだけでしょ」
「だからと云って！！あんな奴らを押し付けるな！！
莫迦みたいに足が速いわ身体能力がいきなり跳ね上がるわ、
追跡を逃れるまで何時間異能で逃げたと思うのだ！！」
芥川の隣で、虎の状態で一晩逃げ回った敦が倒れている。
芥川は敦から作戦の詳細を聞いた時、「あの女ァァァァ！！」と叫んだ。
あの女、毒を飲んだと見せかけて面倒ごとを全て押し付けたな、と。
「そもそも！何故心臓が止まった！！」
「あぁ…あれ太宰さんに教えてもらったやつ」
芥川の顔が「は？」と歪む。
Aは芥川用の汁粉を注文し、座れ、と席を指差した。
「最初に飲んだ液体、あれは葡萄ジュース」
「八つ裂きにして良いか」
「それを飲んだのちに、奥歯に仕込んだ血の袋を噛み潰す。
大切なのは吐血したように見せること」
「協定さえ無ければ貴様は微塵切りだ」
「その後、心臓を止める」
「おい、今なんと？」
「心臓を止める」
「貴様、頭のネジが飛んだか？」
芥川の冷たい眼差しが突き刺さる。
Aも当初、その技を教わったときは全く同じ顔をした。
「詳細は省くが、まあ…数秒だけ心臓を止める。
その後は私はゆっくり帰らせてもらった」
死ぬほど(練習中に何回か気絶した)練習し、数秒だけなら心音を止められるようになった(5回中1回しか成功しない)ので、
炎のような男に触れられるコンマ数秒だけ心音を止めた。
そして、彼らが去った後Aは優雅に下山したのだ。
「…八つ裂きでいいな」
いよいよ据わった目をした芥川を、Aは静かに見つめる。
心なしか、その顔は疲れていた。
Aはぐったりしている敦を叩き起こしながら深いため息をつく。
「心臓止めのことはどうでもいいんだ。大切なのはこの後」
「どうでも良くは無いけどね…」
敦が呟く。
Aは深く息を吐いて、二人の方を向いた。
「実は…年号が変わっているんだ」
「年号が、変わっている」
なんともいえない空気が、その場に流れた。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
