検索窓
今日:41 hit、昨日:12 hit、合計:221,466 hit

ページ11

それは、幹部達が首領の元に集まり、各々の意見を出し合う場で発覚した。



「そうだ、この作戦には紅葉君のところのA君を使いたいのだが」



首領である森の口から出た、聞きなれない名前に中也は「?」とつい変な顔をしてしまう。



「敵のど真ん中で異能を使って貰うだけでいいんだよ。
ほら、それで前回壊滅させてくれただろう」



「ならぬ、あの子は便利な掃除道具では無い。
慥かに、あの子を連れていると任務がかなり楽になるが…、
異能攻撃は受けぬが銃弾などは受ける、まだ危険じゃ」



「それなら中也君を同行させるのはどうだい?」



「…ふむ、それならまだ」



森と紅葉の話についていけない。
すると、今まで黙っていた男が立ち上がる。
品の良いバーテンダーのような格好をした幹部、Aである。



「ならば、私の部隊を同行させましょう」



「…お主のかえ?」



紅葉はAを疑うような目で見据える。
元々この二人は仲が良くないが、何故Aが紅葉の部下らしき者を護衛するのか。



「ならぬ、絶対にならぬ、中也、次の任務はAの護衛じゃ」



紅葉がきっぱり云い切った時、Aは今にも舌打ちをしそうな顔をした。
こうして、中也の次の任務は紅葉の部下の護衛になったのだが。



「あぁ、中也君は彼女に会ったこと無いんだったね。
A君は最近紅葉君の部下になった女の子で…まあ、会えばすぐに判るよ」



会議終わり、思い出したように森はそう云ってきた。



「姐さん、その、Aって」



「噂で聞いたことはあるじゃろう、異能操作の異能者」



「…まさか、それがAってやつの!?」



「そうじゃ、あの子は条件が揃った相手の異能を操る。
異能組織に単体で乗り込んで壊滅させるのは容易い」



「成る程、だからAは取り合って」



あの、出世に目がないAがそんな逸材逃すはずが無い。
だからか、と納得していると紅葉は渋い顔をして首を振った。



「違う、いや、おそらく最初はそのつもりだった筈じゃ…」



思い出すのも嫌とでも云うように、紅葉はため息をついた。



「彼奴が、Aがのう…あの子に惚れたのじゃ」



「…は」



「一目惚れじゃ、見て判った」



紅葉はどこか遠い目をしていた。
Aに会わせたのは失敗だったと今でも思う。

*→←唐紅の白雪姫 [あづき様リクエスト]



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (354 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1091人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シア - 続き楽しみにしてます!! (1月4日 15時) (レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます!最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします!!これからもがんばってください!!!更新再開待ってます!! (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです!続きまってます! (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もこすけ | 作成日時:2019年10月13日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。