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雪は内心、とても楽しんでいた。
役職はランダムに決めたのではない、雪の独断と偏見で勝手に決めたのだ。
個人個人に渡した携帯から、夜の行動がメールで送られてくる。
その中には人狼や占い師の行動も送られており、雪はクスリと笑う。






「皆さんお早うございます、夜が開けました。
さて、昨晩の犠牲者の発表となります」







パンパンと手を叩き、雪が司会を進行する。
Aは夜のターンの際、一応一人一人の顔を確認したが、あまり判らなかった。







「昨晩の犠牲者は…居ませんでした」







「騎士が守るのに成功したってこと!?」







会議が騒めく。
ここには十六人もいるのに、騎士は見事に守り抜いたようだ。







「じゃあ役職の公開に行きますか」








「つーかよ、なんで手前が仕切ってんだ」








「…なぁに?私が人狼だとでも?」








「僕からしたら二人とも怪しいけどね」








「嫌だなぁ乱歩さん」







「一つ、いいか」








不穏な空気の中、手を挙げたのは芥川だった。
雪がほぅ、と目を細める。







「僕の役職は恋人だ」








「…芥川、お前、狙われる可能性があるってこと判ってるのか?」







Aの言葉に芥川は「無論だ」と答える。







「もう一人は名乗り出るな。
相手も僕が恋人役だと知っている」







「…成る程、ここで対抗として恋人が名乗り出れば」







「あぁ、其奴が人狼で間違いない」







芥川の策は、自身の身の潔白を証明すること。
恋人ゆえに狙われる可能性は高いが、彼を中心に会議を回すことが出来る。








「芥川先輩素晴らしいです、なんて聡明な…!」







樋口の言葉の通り、芥川の作戦は見事だった。
仮に人狼が会議を操ろうとしていた場合、彼の作戦は出鼻をくじくには十分だ。








「…居ないな?ならばここからは僕が仕切らせて貰う」







芥川の言葉に異議を唱える者は居なかった。








「まず占い師、出てこい」







その瞬間、上がったのは二本の手だった。







「鏡花と…梶井か」








やはり二人出てくるか。
Aは早くも嫌な予感がしてきた。








「次だ、霊能者」








その瞬間、Aは「は?」と素で声を出してしまった。
それもそうだ、だって。







「三人…?」









上がっていた手は、三人分だったのだから。

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もこすけ(プロフ) - あっきーさん» 嬉しいコメントありがとうございます。人狼ゲーム、書いていても楽しかったです。考えるのはなかなか大変でしたが、喜んでいただけて良かったです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年11月26日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー - 人狼シリーズ大好きです!本当に天才だと思います!!これからも楽しみにしています! (2019年11月25日 17時) (レス) id: d54700ef05 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございました。本当ですね、たった今気づきました。ありがとうございます。これからもこの作品を、よろしくお願いします。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
そー氏。(プロフ) - 返答ありがとうございました。いつもこの作品応援しています。ちなみにタイトルが「この十六」になってますよ「その十六」じゃありませんか? (2019年11月3日 9時) (レス) id: 15750ac93c (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございます。小泉は、普段は髪で隠れて見えませんが、首筋にホクロがあります。基本、見えるところにはありません。ちなみに母親の雪も同じです。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年8月17日 20時

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