探偵社とマフィア、カーチェイス [シアトル様リクエスト] ページ37
その日、探偵社とマフィア、一名部外者はカーチェイスを繰り広げていた。
「オラァ!死ね青鯖!!」
「はっ、莫迦だねぇ、これだから脳筋は…っと」
「あっ…妨害なんて汚いぞ芥川!」
「…」
「いや敦違う、これは単純に操作ミスだ」
「…ごめん」
「やめろ人虎謝るな殺すぞ」
太宰の巧みなハンドル操作で中也の車が崖下に落ちる。
芥川の操作ミスで敦の車が隅に追いやられる。
…全て、ゲームの中での話だが。
「なんでマフィアとゲームをしてるんだか…」
「勝てば互いの願いを叶える、そういうお約束なのでしょう?」
コントローラーを持ったAの隣で、雪が美しい笑みを浮かべた。
後ろで、とうとう太宰と中也が口論を始めた音と、芥川と敦が殴り合いを始めた音が聞こえたので、後者の二人は異能でねじ伏せた。
そもそもの発端は、数時間前にさかのぼる。
「…そりゃあこっちも譲れねぇよ」
探偵社とマフィア、その両方が同じ事件に携わってしまった。
探偵社もマフィアも己の信念の為に譲らなかった。
「では、ゲームで決めませんか?」
協定すら破棄されそうになった時、過去から遊びに来ていた雪がそう提案したのだ。
車を操作してゴールを目指すゲームで、一位になった組織が相手を従わせる、と。
それで、こうなった。
「ちょ、中也、君アイテム投げるなんて酷いじゃあないか」
「はっ、避けねぇ手前が悪い…ってなにしやがる!」
「ははは!油断してるからバナナの皮で滑るのさぁ!!」
「芥川!お前、僕を巻き込んでコースアウトするのいい加減やめろー!」
「くっ…やりたくてやっているわけではない!!」
太宰と中也、敦と芥川、そしてAと雪。
この6名で争っているが、トップは太宰と中也で決まるだろう。
「あら、また落ちた」
「…運転、ゲームでも苦手なの?」
案外知られていないが、雪は運転が大の苦手だ。
だからなのか、先程から周囲を巻き込んで大破したり、爆弾を持って集団に飛び込んだりする。
「現実世界でも数台廃車にしてますからね」
「…あぁ、そう」
一位は太宰と中也になり、願い事をきくという話は双方が譲り合いことで合意した。
結局、ゲームをして終わった日だった。
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もこすけ(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます。その通りでございます。直しておきます。ありがとうございました。 (2021年11月8日 17時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
あ - すみません、「あの娘は誰の子?」の小雪ちゃんのセリフで「私は過去から来たんだよ」と言っていますが「未来」の間違いではないでしょうか私の勘違いや解釈違いであったら申し訳ありません (2021年11月7日 17時) (レス) @page32 id: b7271b87d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 折角のお話、申し訳ありませんでした。応援のお言葉、ありがとうございます。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ワンコソバ(プロフ) - そうでしたか…。残念ですが、それからのもこすけさんが書く作品を楽しみにしてます!頑張ってください!(^○^) (2019年5月4日 20時) (レス) id: c31389e4fc (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そういった応援はとても嬉しいです。リクエストなのですが、現在締め切っております。他作品とのコラボも、基本的にご本人様からのリクエストのみ受け付ける形となっています。折角のお話なのに、申し訳ありません。 (2019年5月4日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年4月6日 19時