＊ ページ34
少女は微笑む、"太宰と自分に似た顔"で。
『まさか父親が太宰さん…、いやあり得ない、いやでもこの顔立ちは多分…』
あの人と？まさかの？
Aは大真面目な顔で悶々と考えていた。
すると、鏡花がAの後ろを見て声を上げた。
「あ」
鏡花の指差した先には、太宰が。
その瞬間、少女は「げっ」と顔を歪ませる。
「お父様だ」
「あ"あああああ！！」
云った、云いおった。
少女はサラッと父親が太宰だと云いおった。
Aは地面に膝をつき、絶叫した。
「え、なんでこの子絶叫してるの」
太宰は叫ぶAを見下ろして、敦に問う。
すると、太宰は敦の隣に立つ少女に気づいた。
「敦君、このお嬢さんは？」
「え！？えっ……と、えええっと…」
「私は未来から来た…もがっ」
Aが凄い勢いで少女の口を塞いだ。
そして、貼り付けたような引きつった笑顔を浮かべる。
「なんでもありません、太宰さんなんでも無いんです」
「…その子、なんか君に似て」
「ません、私に似た人なんてそこら中にいます」
「無理があるよ、それになんか私にも似て」
「ません、そんなわけないですよ」
「…ふぅん」
なにか気づいた様子の太宰、それを必死に隠すA、口を塞がれている少女。
「ねぇ、この子さっき未来からって云ってたけどもしかして」
Aの目が一瞬、逸らされる。
その瞬間、少女はAの手から抜け出した。
「もう、酷いなぁ。
可愛い娘になにするのさ、お母様」
「あああああ！」
「へぇ、君の娘か。ちなみに父親は？」
「え？貴方」
その瞬間、太宰はガッツポーズをし、Aは膝から崩れ落ちた。
娘は「おもしろーい」と笑う。
「よし！よくやった未来の私！」
「厳密には世界が違うけど…まあ場合によっては現実になるよ」
「…成る程」
「うわぁ悪い顔、お母様ってばなんでこんな人に捕まったかなぁ」
綺麗な顔であくどい話をする二人に、Aはとうとう気絶した。
次に目を覚ました時、与謝野の医務室だったせいか、記憶は綺麗に吹っ飛んだらしい。
「……夢か」
Aの脳裏で少女が「違うよー」と云った気がした。
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もこすけ(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます。その通りでございます。直しておきます。ありがとうございました。 (2021年11月8日 17時) (
レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
あ - すみません、「あの娘は誰の子？」の小雪ちゃんのセリフで「私は過去から来たんだよ」と言っていますが「未来」の間違いではないでしょうか私の勘違いや解釈違いであったら申し訳ありません (2021年11月7日 17時) (レス) @page32 id: b7271b87d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 折角のお話、申し訳ありませんでした。応援のお言葉、ありがとうございます。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ワンコソバ(プロフ) - そうでしたか…。残念ですが、それからのもこすけさんが書く作品を楽しみにしてます！頑張ってください！(^○^) (2019年5月4日 20時) (レス) id: c31389e4fc (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そういった応援はとても嬉しいです。リクエストなのですが、現在締め切っております。他作品とのコラボも、基本的にご本人様からのリクエストのみ受け付ける形となっています。折角のお話なのに、申し訳ありません。 (2019年5月4日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年4月6日 19時
