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「…って感じで太宰さん、壊れてたんだって」






「最高じゃねぇか…いや、最高じゃねぇかよ」







「二回云うほどの事かぁ…」







太宰の発狂エピソードを頭おかしくなるのではないかと云うほど笑った中也はひどく満足そうだった。





「やべぇ、超見てぇ、…ぶっ」







「思い出し笑いやめてよ。…俺も正直生で見てみたい」







そこで、両者顔を見合わせる。
悲しきかな、やはり血は争えない。
中也は大嫌いな相棒の発狂を見てみたく、
雪也は母に未だに惚れている男の発狂を生で見たい。






「…そう云やぁ、今日は彼奴、探偵社とここら辺に仕事に来てるって話だったな」







中也が勿体ぶるように雪也の方を見ると、彼は既に身支度を整えていた。
そして、中也を見てニヤリと笑う。






「行かないの?俺は行くよ」







「やる気満々かよオイ」







「本音は」







「太宰の野郎泣かせてやる」







「ッふふふ…最高…」







不敵に笑う、側から見たら悪人にしか見えない二人を紅茶片手に見つめながら、







「あら…これは修羅場になりそうですね…」







彼をこちらの世界に連れてきた美しい少女…Aと同じ容姿をした少女はそんなことを口にした。



場所は変わり、街中で国木田が叫んだ。







「この唐変木が!!」







「国木田さん声の大きさ落としてください」







街中で太宰に怒鳴り散らす国木田を止めるA、怒鳴られて笑う太宰、それを横目に与謝野と話す乱歩。
珍しいメンバーでの仕事だったが、いつものように太宰が依頼先で女性を口説き、
その上帰りにジサツをしようとして止められた。






「今日という今日は許さん、このワカメ頭が!!」







「あーれーお助けー」







「国木田さん、殴るなら人がいないところでお願いします」






さらりと殴ることを許可したA。
いよいよ国木田がキレそうになった時、向こうから一人の少年が歩いてきた。
通り過ぎようとした時、少年は立ち止まり、こちらを向く。






「どうも」







「…どこかでお会いしました?」







「…わぁ、やっぱり超美人」








洒落た格好をした、どことなく中也を連想させる少年にAは怪訝な顔をする。
すると、飴を咥えていた乱歩が目を丸くする。








「君…Aの子どもだね?」








「…はぁぁぁぁ!?」







響いた声に、物陰から聞いていた中也はブハッと耐えきれないように吹き出した。

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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時

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