暗闇が怖い、とても怖い [瀬那様リクエスト] ページ28
戦慄と絶叫の探偵社&マフィア百物語が終わった。
最後はAの話で終わり、全員もれなく絶叫した。
その後、いつも通りの日常に戻る…はずも無く。
「太宰、資料室から例の事件の資料を持ってこい」
「…敦君、GO」
「い、嫌ですよ!」
「国木田君が行けばいいじゃない」
「おおおおお俺は行かん莫迦を云うな」
「…こりゃあまずいね」
薄暗い資料室に行こうとしない社員を横目で見ながら乱歩は呟いた。
あれ以来社員たちは暗い所を怖がっている。
特に、夜なんて暗くなる前に帰る者がいるほど。
「そう云う乱歩さんもホラー映画の予告が流れるとテレビ消すだろう」
「与謝野さん、口閉じようね」
乱歩が頬を膨らませて与謝野を強く見つめた時、部屋の電気が消えた。
「ぎゃぁあぁぁあ!!なんだぁぁぁ!!」
そこらじゅうから湧く悲鳴。
すると、部屋の電気が付き、Aが呆れたような顔で社員たちを見つめた。
「ブレーカーが落ちただけです。
まるで化け物にでも襲われたような声出して、いつも襲撃とか受けてるのに」
そういうんじゃない。
床に倒れこむ者、兄に抱きつく者、椅子ごとひっくりかえった者の多くがそう思った。
元凶は呆れたようにその光景を見つめ、
「まさかマフィアもこうなってるなんて云わないよね…」
その言葉は、見事に裏切られた。
場所は変わってマフィア本部。
「紅葉君、どう云うことだい」
「なにがじゃ」
「君、最近昼の仕事しか受けてないらしいじゃないか。
困るよ、マフィアは夜の人間だろう?」
「鷗外殿はあれを聞いていないから平気なのじゃ。
あんな悍ましい体験をしたら…もう暗闇で生きられぬ体になってしまった」
「あぁ、だから今この部屋電球の中かってくらい明るいんだね」
「そうじゃ、梶井も暗闇に怯えすぎて部屋を爆弾で爆発させた」
「あの爆破は事故じゃなくて故意かぁ…中也君はちゃんと仕事をしているだろう?」
「中也はのう…任務前は『怖くない怖くない怖くない』と暗示を己にかけておる。
早く切り上げようとして、仕事の速度が増した」
「わぁ、さすがちゅうやくんだなぁ」
「ところで鷗外殿、Aの怪談の録音があるのじゃ」
「…まさか」
「道連れじゃ」
こうして、また一人被害者が増えるのだった。
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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時