罪人候補(？)と猟犬部隊 ［ユキ様リクエスト］ ページ41
「あ」
「ッ、」
整った容姿を引き立てるように更に着飾り歩いていた二人は同時に声を上げた。
太宰は向かいに立つ四人組を見ておやおやと驚いた顔をし、
Aは反射的に顔をそらしてそっぽを向く。
「ほう、これはまた珍しい」
向かいの四人のうち、顔に傷跡がある男はガハハと笑った。
対してAは全く笑えなかった。
自分の運を恨むと同時にこの依頼を勝手に受けた太宰を睨みつける。
「猟犬部隊とは、偶然にしては運が悪いね」
アンタが依頼を受けたのも理由の一つだろう。
白々しく云った太宰の足に、尖ったヒールが落とされた。
事の発端は一ヶ月前、ある政府関係者から依頼が来たのだ。
彼のパートナーである妻が最近妙な男と会っているらしいので証拠を掴んで欲しい、と。
当然初めは断ろうとした。
浮気調査ならここでない探偵でも可能だし、武装探偵社に依頼すれば依頼料も倍はかかる。
だが彼は次にこう云ったのだ。
『妻が会っている男は、どうやらある事件の犯人らしい』
その犯人の依頼も軍警から来ていた。
それを聞いては断ることは出来ない。
妻の浮気調査と共に、浮気相手の情報も集める為に依頼を受けた。
だが妻も相手も警戒心が強く、下手に近づけない。
なので太宰が提案したのは、太宰とAで恋人のフリをして、二人に近づくというもの。
カップルが多い休日のショッピングモールならば疑われないだろうと踏んで。
「だからわざわざこんな格好までして来たのに、なんでこうなる…」
「ッ、痛い！ちょ、ヒール刺さってる！！」
「大きい声出さないでください、気づかれます」
「いだい！！」
珍しく化粧をして着飾ったAが太宰の足をぐっとヒールで踏んだ。
痛い痛いと云いながらもこの状況に吹き出しそうな太宰が更に憎たらしい。
それより何より、目の前にいる猟犬部隊の四人とまともに目が合わせられない。
「恋仲か？資料ではそんなこと書いてなかったぞ」
「ふっ、面白いのう、手始めに牢にぶち込んでみるか？」
「がはは！今日も見事な狂犬ぶりだな、��子君！」
「はぁい隊長！」
「条野、あの二人はなんなんだ？」
「危険異能者リスト最上位の組み合わせです」
会話からして濃くて物騒な猟犬部隊にAは非常に苦い顔をした。
頭痛と共に、今逃げ出してもヒールだから上手く走れないなと思って。
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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます！最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです！ (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年12月9日 11時
