【文スト】この世界と番外編 その九

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【番外編の番外編、太宰発狂するの巻】






「グッバイこの世」







「待て待て待て！」







首に縄をかけようとする上司を必死に止めるA。
影から見ていた者たちは太宰への報告が失敗に終わったことを悟る。






「子ども…うふふふ…来世に期待」







「太宰！ここで首を吊るな！！驚きすぎて気絶するのは判るがやめろ！！」








「国木田さん、ちょっとなに云ってるのか判らないです」







Aに子供がいる。
そう伝えた瞬間、太宰はぶっ壊れた。
他の社員への報告は終わっているのだが仲間から太宰は慎重に報告しろと云われ、した。
その結果がこれだ。






「まじ病みィ…」






「だ、太宰さんがおかしくなってる…！？」






「与謝野先生、頭の手術お願いします」







「叩けば治るよ」







「壊れた昭和のテレビじゃありませんよ！！」







「つらみ、私もうつらみ」






「キャラ崩壊が激しいですわ」






「A、相手が素敵帽子君だってことは云ったの？」






「乱歩さん！！それは云わない約束では！！」






「う"あ"ぁぁあぁああああああああ！！」







その日、探偵社に太宰の絶叫が響き渡った。







【雪也の日常】






「雪也ァァァァァ！！」







探偵社を揺らすほどの国木田の怒声。
雪也は椅子に座ったまま、くるりと国木田の方を向いた。






「なんですか国木田さん、そんな般若みたいな顔して恐ろしや」







「お前！また勝手に俺の名前で結婚相談所に登録しただろう！」







「あぁ、国木田さんの理想の女性像、半分以上埋まった美女がいたので」







「勝手になにを！！…本当か？」








「はい」








ほらこの人、と携帯を見せる雪也。
相変わらずずる賢く、大人を操るのが上手い。
太宰が国木田君って単純…とクスクス笑う。






「そういけば雪也君、君、依頼先で異能使ってクレーター作ったって聞いたけど」







「あー、それは聞かなかったことに、特に母さんには内密で」







「うーんそれはどうだろう」







「はい？」








「多分、もう耳に入ってると思う」








ハッとする雪也の肩に、手が置かれた。
壊れた人形のように雪也が後ろを向くと、冷たい笑みを浮かべた母の姿が。








「雪也、ちょっと来なさい」








「…はぁい」








数分後、隣の部屋からげんこつの音が聞こえた。
これは別世界のありえない、あったかもしれない話である。

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