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Aは考える、中也らしくやるのならこれを完遂すべきだ。
だが自分はど素人、下手したら殺してしまう可能性もある。
そうなれば中也の立場上迷惑がかかるだろう。
『でもこんなことやったことも無ければ手加減も知らない』
それに、こんなこと出来ればしたくないのが本音だ。
『兄様ぁ、昨夜は何処に行ってたんですかぁ？』
『ナ、ナオミ…それは…ッてどこ触ってるンだよ！』
『あら、口答え？に、い、さ、ま』
変なことを思い出してしまった。
そこで、ハッとする。
あの時ナオミはこんなことせずに谷崎から情報を引き出していた。
「そうかぁ…」
唇から溢れる、壮絶な色気のある低い声に部下の一人が顔を赤くした。
それに目も向けず、Aはゆっくり捕虜に近づく。
男にも女にも見える、中性的な相手だ。
まあ、どちらでも構わない。
猿轡を外し、相手と向き合う。
「なぁ、アンタの持ってる情報が知りたいんだ」
「…私は何も吐かない」
「へぇ…」
想像するのはナオミ、中也の持つ色気を最大に活かせるように。
つけていた手袋を歯でスッと脱ぎ、床に落とす。
男らしい、角ばった指で捕虜の首にするりと触れる。
びくりと相手の体が震える光景は谷崎によく似ていた。
「そりゃあ残念だなァ…」
ナオミ、これ、すごい効果ある。
Aはフッと唇を歪めて、捕虜の耳元で低く囁いた。
「アンタが嫌ってほどめちゃくちゃにしてやろうか…なぁ？」
吐き気がするほど甘い台詞だ。
だが捕虜は真っ赤な顔で、口をパクパクさせる。
ついでだと、用意されてる道具の一つ、長い鞭を持てば部下の一人が鼻を押さえて外に出て行く。
「さぁ…吐いてくれるよな？」
ビシッと地面を鞭で叩けば捕虜は更に顔を真っ赤にして、ゆっくりとその口を開いた。
Aは指の一本も折らずに終えられたことに内心ホッとし、話し始めた捕虜を部下に任せるのだった。
「…チッ、さっきから聞いてりゃ調子に乗りやがって」
同時刻、中也は一向にまともな話をしない犯人を前に、荒々しく舌打ちをした。
え、と動揺する敦を無視し、犯人の胸ぐらを掴む。
「あんま調子に乗んなよ…このクソ野郎が」
片足を机に乗せて、女王のように見下ろすAに、犯人は何故か恍惚とした顔をした。
「さっさと吐け」
お互い知らぬうちに色々やらかしていることには気づかず。
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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます！作品とても楽しみです！ (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年10月28日 18時
