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一回戦、A対敦。
椅子に座り、近くにはヘルメットとハリセン。
『Aちゃん叩くと後が怖いよなぁ…』
そんなことを考えていると、敦はハッとする。
『下手に受けたら頭蓋骨ごとやられるのでは！？』
気づいた、気づいてしまった。
万が一に備えて与謝野があるとはいえ、非常に恐ろしい。
事実、Aは素振りをして威力を確かめている。
なんかブォンとかいう音が聞こえるのがなお恐ろしい。
「じゃあ試合を…」
「ま、待ってください！」
乱歩の開始の声を遮り、敦はAの方を向いた。
首をかしげるAにスッと頭を下げる。
「い、異能の使用を許可してください…」
「…え」
「いや、頭割られたくないとかそんなつもりはないよ！！
でも万が一、万が一に備えて許可が欲しいなって、うん！！」
「敦さん、焦りまくってますわ」
谷崎から「女の子にそんなことさせられない」と止められたナオミが冷静に分析する。
Aが乱歩に視線を向けると彼は手で丸を作った。
「良いけど」
「ありがとうぅ…」
「おい、本当にいいのか？」
「はい」
国木田の言葉にAは頷く。
敦の虎の反射神経にはいくら彼女でも対応できないはず。
それなのに何故、と国木田が考えていると、隣にいる太宰は何かに気づきニヤァっと笑った。
「これ面白いことになるよ」
太宰はそう云うと、何故か喉の調子を確かめているAを楽しげに見つめた。
「じゃあ試合開始ー！！」
乱歩の声でじゃんけんを開始する。
敦はグー、Aはパーを出した。
保険をかけておいて良かった、心の中でそう叫びながら敦が虎のスピードでヘルメットを取ろうとした瞬間。
「『月下獣、異能の発動を禁ずる』」
強制的に異能が解除され、敦は唖然とする。
顔を前に向けると既にハリセンを持ち構えるAの姿が。
「異能の使用が許可されるってことはこういうこと」
「こんなのってないよ！！」
敦の悲痛な叫びなど無視し、バシンッと派手な音が響いた。
そう、皆忘れていたのだ。
異能が使えるということは、異能を操るAはほぼ独壇場だということに。
「一回戦、勝者A！」
とんでもないのが生まれてしまった、と誰かが嘆く。
ちなみにぶっ叩かれて気絶した敦は与謝野の医務室に連れていかれた。
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もこすけ(プロフ) - ReiLeiさん» コメントありがとうございます。そんなに読んでくださりましたか。とても嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年12月26日 20時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ReiLei(プロフ) - 3週目するくらい面白い。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 朧月さん» ありがとうございます。これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - リクエストありがとうございました！これからも更新を楽しみに待っています＼(^^)／ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます。こちらもリクエストをいただき、こうして書けることがとても楽しいです。皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします。頑張ります。 (2018年10月27日 16時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年9月29日 19時
