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呪われた人形 [シアトル様リクエスト] ページ41

「差出人不明の贈り物?」







ある日の昼下がり、探偵社に謎の箱が贈られてきた。
差出人は不明、ついでに中身も不明。







「また太宰さん宛の爆弾だったら処理太宰さんに任せますよ」








「信用ならないなぁ…でも今回ばかりは違うみたいだよ」







「?」







「これ、かなり軽いみたいだからさ」






そう云って太宰が箱を持ち上げて揺らすと確かに軽い音が聞こえた。







「…一応確認しておこうか」







誰が開けるか、ということになったら何故か満場一致で太宰になった。
理由は簡単、少し前に探偵社に贈られてきたものが太宰宛の爆弾だったから。
彼はとほほと云いながら箱の包装を破る。
その時、何故か寒気がした。







『なんだろう…この悪寒』







肌を撫で、ゴクリと唾を飲む。
そして、箱が開けられた。







「わぁ、人形ですか」







「古いものですわね、でも可愛らしいです」







ナオミがそっと中の人形を取り出した。
それは、布でできた可愛らしい人形だった。
拍子抜けした中身に一同首をひねっていると、震えた声が響いた。







「それ…なに?」








声の主はAだった。
彼女は震える指で人形を指差している。







「Aさん、どうしましたの?」







「な、にそれ…おかしい、絶対におかしいよ…」








他の者には判らないのか、そう云わんばかりにAは声を震わせる。
彼女には…視えたのだ。
ナオミの手に持たれた人形が一瞬、凄まじい殺気を放ったのを。








「もしかして、それ…」







昔、ほんの一瞬だがテレビで見たことがある。
海外に呪われた人形があると。
悪霊が取り憑いた人形があるところに保管されていて、非常に危険なものだと。







「呪われた人形…」








そうだ、間違いない。
テレビで見たデザインとこの人形は全く同じ。
汚れの位置まで寸分たがわず同じ。







「…それ、捨てた方がいい」








「Aさん?」








「それは持ってちゃいけないものだ。…私が捨てる」







キョトンとするナオミの手から人形を受け取ろうとする。
瞬間、手に鋭い痛みが走った。








「Aちゃん、血が!」








敦の声にハッとする。
手を見てみると、指に赤い線が走り、血が滴っていた。







「やってくれるな」








何故か、人形の手には割れたガラスが縫い付けられていた。
それを見てAは憎々しげな表情をし、人形を睨みつけた。

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Ohata(プロフ) - 泣いて……いいですか?(織田作ぅ!!) (2022年8月22日 23時) (レス) @page11 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - おっ織田作さんぁぁぁぁぁああぁあああああん (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 砂色のコート、赤い髪…お、おださっ…ああああああああああああっっ!!(号泣) (2021年1月1日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - まつかわもちさん» はい、アナベルをモデルにして少し違うものにしております。 (2018年9月30日 11時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 呪いの人形って、もしかしてアナベル……ですか? (2018年9月30日 10時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年8月8日 15時

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