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サラッと隠していた事を云った鏡花に敦の目は泳ぎまくる。







「知ってた…の…?」








迷惑をかけないようにストーカーの件は隠していた。
なのにバレた、自分の爪の甘さに苦い顔になる。







「ごめん、でも大丈夫だから…。
自分でどうにかするから気にしないで」







今もどこで見ているか判らない。
これ以上仲間に迷惑をかけるわけにも、自分のせいで仲間の手を煩わせたくない。







「だからみんなには気にするなって」







「駄目」







立ち去ろうとする手を掴み、鏡花がきっぱり云いきった。







「頼ることも必要、貴女は隠し事をしようとするから私たちが来た」








「…こういう事は初めてじゃない。
前も一人で解決したし鏡花達が来る必要は」







「あの、Aちゃん」








敦がおずおずとAと鏡花の会話に入ってくる。
厳しい顔の二人の会話に入るのは相当勇気がいるだろうが、それでも彼は口を開いた。








「Aちゃんは…女の子じゃないか」







「…え、知らなかったの」








「違うそうじゃなくて!!」









まさか自分の性別を知らなかったのかと云うと違うと叫ばれる。








「Aちゃんは確かに僕より腕っ節はあるし容赦もないけど!!」








「喧嘩売ってる?」









「でも、女の子じゃないか!
女の子がストーカー相手に一人なんて危ないよ!!」








「女の、子…」







そうだ、自分は異能を持っていて、探偵社員でも女なんだ。
もし仮に相手が異能者で、もしあの薄暗い路地に連れ込まれたら。
そう考えるだけでゾッとした。
自分は以前の世界のつもりで、危険な事をしようとしていたのだ。








「…ごめん、どうかしてた」







少し前まで一人で、自分でどうにかするしか無くて一人で解決していた。
でも今は違う、頼れる相手が、仲間がいる。







「…相談がある」







漸く自分からそれを口にすると敦と鏡花はコクリと頷いた。







「助けてほしい」








今も何処かで自分を見ている奴を、捕まえる事。
同期と後輩、二人と手を組んで。








「あと一応聞くけど、いつから気づいてたの」








「Aちゃんが怖い顔し出した事からです…」








「それがいつからだと聞いてるんだよ」








「乱歩さんが『面倒なのに好かれた』って」








「あの人すごいな…」

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Ohata(プロフ) - 泣いて……いいですか?(織田作ぅ!!) (2022年8月22日 23時) (レス) @page11 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - おっ織田作さんぁぁぁぁぁああぁあああああん (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 砂色のコート、赤い髪…お、おださっ…ああああああああああああっっ!!(号泣) (2021年1月1日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - まつかわもちさん» はい、アナベルをモデルにして少し違うものにしております。 (2018年9月30日 11時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 呪いの人形って、もしかしてアナベル……ですか? (2018年9月30日 10時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年8月8日 15時

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