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ページ25

パーティが進むと、酒を飲める成人組は出来上がってきた。
与謝野が国木田に絡み、紅葉が中也に絡み、太宰は飲まされている中也に大笑いしている。






「…なんだこれ地獄か?」







「兄様ぁ、ナオミも酔ってきましたわ」







「ナ、ナオミ!?君さっきからジュースしか飲んでないよね!?」







「あら、知りませんわ」






「ちょ、ナオミ、服に手入れないで…Aちゃん逃げないで助けて!!」







「聞こえません知りません」







じゃれ始めた谷崎兄妹から離れ、壁際に逃げる。
すると、誰かが隣に立った。







「やっと逃げられたぜ…」







「中也さん」








紅葉から逃げてきた中也はいまだに残る酒の味にため息をついた。
…若干いつもより中也が小さく感じるのはヒールを履いているせいだろう。







「今失礼な事考えなかったか?」








「…いえ、なにも」








「…それ、似合ってんぞ」








いきなりそう云われ、キョトンとする。
その顔に中也は「鈍い、相変わらず鈍すぎて泣けてくる」と呻いた。
その時、ナオミに振り回された谷崎が強制的にダンスに移行されているのが見える。







「手前んとこの奴ら、随分楽しんでんな…」







「ナオミ限定、ですけど。…ステップ、うまいですね」








「手前、ダンス踊れるのか?」








「…親戚に色々教えられて一応は」








あの見栄だけで生きてる義親に仕込まれ、ダンスは経験がある。
でも生け花とかピアノとか、「それ生きていくのに必要?」と聞きたくなることも教えられ、
しばらくの間グレたのは今となってはいい思い出…でもない。







「…一曲どうだ?」







「?」







「俺と踊ってみねぇか?」







いきなりの提案に一瞬キョトンとする。







「私とですか」







「手前以外に誰が居るんだよ」







「…成る程」







思えば、誰かと踊ったことは殆どない。
なら経験として踊るのもいいだろう。






「あの、私で良ければ」






「じゃあ私と踊らないかい?」







ズイッと二人の間に割り込んできた声にギョッとする。
彼、太宰はグラス片手ににっこりと微笑んだ。






「ほら、中也と並んだら身長差があるからやめなよ」






「手前…」







「Aちゃん背ぇ高いから君には無理だね!」







「よーし、判った。表出ろ」







「…始まったよ」







犬猿の仲の二人の口論に、Aは深いため息をついた。

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Ohata(プロフ) - 泣いて……いいですか?(織田作ぅ!!) (2022年8月22日 23時) (レス) @page11 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - おっ織田作さんぁぁぁぁぁああぁあああああん (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 砂色のコート、赤い髪…お、おださっ…ああああああああああああっっ!!(号泣) (2021年1月1日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - まつかわもちさん» はい、アナベルをモデルにして少し違うものにしております。 (2018年9月30日 11時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 呪いの人形って、もしかしてアナベル……ですか? (2018年9月30日 10時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年8月8日 15時

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