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相手なんて誰だって同じ [ブラコン様リクエスト] ページ23

組合の侵略、ドストエフスキーの策略、続いたヨコハマへの攻撃をなんとか防ぎ、僅かな平和が訪れた。
そこでちょっとした祝いの席をマフィア側が用意し、探偵社もそこに参加する事になった。







「あっちの奢りだと思うと気が楽だよねぇ」







「太宰さん、芥川にパーティ中、首を狙われる僕の立場にもなってください」







「あぁ、背後を見せたら最後だ」








「こんな緊張感あるパーティ嫌です」








遠くから感じる殺気に正装に身を包んだ敦は胃が痛いと呻く。
マフィアとのパーティなど精神的に色々疲れる。
女性陣は割と穏やかにしているようだが…。
ふと、その中にあの少女がいない事に気づく。







「…あれ?ところでAちゃんは?」







「あぁ、ドレス着せようとしたら逃亡したらしく、今さっき与謝野先生に捕まったみたい」







「…どんな服着せようとしたんですか」







「意地でも着ようとしないから身ぐるみ剥いでそれ押し付けて更衣室にぶち込んだらしい」







「やり方が過激!!」







大変だねぇと完全に他人事の太宰はあははと笑う。
敦は同期の苦労に涙すら滲む。
その時、会場の扉が小さな音を立てて開いた。







「お、来たみたい。…ほう」







「…おぉ」








なるべく見つからないように入って来たのだろう、Aは出入り口付近で出たり入ったりを繰り返し、
最後には鏡花に引っ張られるようにして入った。
その姿を見て、太宰は勿論、敦もつい感嘆の声をあげた。







「連れてきた」








「鏡花ちゃん、ありがとうね」








「やっぱり着替えてくる…流石にこれは」







「何を云ってるんだい、とても似合っ…」







「すごく似合ってる、綺麗」







褒めようとした太宰の言葉を遮り、鏡花が割り込んできた。
流石元暗殺者、仕事が早い。
ジト目を向ける太宰に気づかず、鏡花に褒められたAはそれでも苦い顔をするばかり。








「だってこれ…肌が出る」







僅かに化粧をした顔を歪めてAは二の腕をさする。
彼女の瞳の色に似た濃紫色のドレスは首元は隠れているが二の腕は出るし、
足にもスリットが入っていて白い肌がのぞいている。
そしてなにより、背中が大きく出ていて、敦も目のやり場に困っていた。
着ている本人はかなり恥ずかしそうにしている。







「…悪くない」







恥ずかしがる様子にふっと呟いた太宰は、数秒後Aの黒いヒールで足を踏まれる事になる。

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Ohata(プロフ) - 泣いて……いいですか?(織田作ぅ!!) (2022年8月22日 23時) (レス) @page11 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - おっ織田作さんぁぁぁぁぁああぁあああああん (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 砂色のコート、赤い髪…お、おださっ…ああああああああああああっっ!!(号泣) (2021年1月1日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - まつかわもちさん» はい、アナベルをモデルにして少し違うものにしております。 (2018年9月30日 11時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 呪いの人形って、もしかしてアナベル……ですか? (2018年9月30日 10時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年8月8日 15時

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