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鏡よ鏡よ鏡さん [楓様リクエスト] ページ13

白雪姫の中に魔法の鏡が登場することをご存知だろうか。
継母、もとい魔女が使っている鏡である。
その鏡は世界で一番美しいのは誰、と問うと答えをくれる。
そう、白雪姫が魔女に殺される原因にもなったあの鏡である。
何故そんな話をするのかと云うと、






「…これ、本物なんですか」







「らしいよ、巷でちょっとした騒ぎになってるもの」







今、目の前にあるからだ。
社員達の視線の先には一枚の手鏡。
美しい装飾を施された、古そうなもの。







「この鏡は未来をうつす鏡らしい。
そのせいで明日死ぬ未来を知ったり知りたくないことを知ったりと…まあ騒ぎになったのだよ」







「異能ですか?」







「それを調べる為に探偵社に贈られてきたのさ」








確かに、いい未来なら良いが悪い未来なら知りたくない。
それを知っておかしくなってしまうのも理解できる。






「まるで魔女の鏡だね」







「あぁ、鏡よ鏡よ鏡さんってやつか」







「やだ国木田君がメルヘンなこと云ってるぅ」







「貴様!!」







国木田の拳骨が太宰の脳天に落ちた。








「それで…本当に未来なんてうつるのかねぇ」







「だとしたら見てみたい気もしますね…」








いや、でも見たくない気も…と敦が唸る。
だが本当にそんなファンタジーのような事が起こるのだろうか。
なんとなく、手鏡に触れてみた。
その瞬間、







「え!?なに!」








敦の声が響いたのは手鏡が白く光ったからだ。
まるで鏡が眠りから目覚めたように。
しばらくすると光は消え、先ほどと同じく静かになる。






「な、なに、今の…」







「…判らない」








「ちょっと待ってAちゃん触るの危ないんじゃ…!」








敦の制止も聞かず、手鏡に触れた。
だが別に触れたら死ぬとかそんなことはなく、ヒヤリとした冷たさが伝わるだけだった。
普通だなと思い、なんとなく鏡の中を覗き込んでみる。







「…え」








そこには自分が映っている…のではなく、他の景色が映っていた。







「なに、これ…」








鏡の向こうに映る、白い髪の青年の姿。
少し大人びた印象の青年は、敦にそっくりであった。
まるで敦が大人になったような容姿にハッとする。








「これ…未来を映してる」








その言葉に国木田達は騒めき、鏡に視線を移した。
手鏡の向こうの世界は、紛れもなく未来の光景だった。

*→←*



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Ohata(プロフ) - 泣いて……いいですか?(織田作ぅ!!) (2022年8月22日 23時) (レス) @page11 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - おっ織田作さんぁぁぁぁぁああぁあああああん (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 砂色のコート、赤い髪…お、おださっ…ああああああああああああっっ!!(号泣) (2021年1月1日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - まつかわもちさん» はい、アナベルをモデルにして少し違うものにしております。 (2018年9月30日 11時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
まつかわもち(プロフ) - 呪いの人形って、もしかしてアナベル……ですか? (2018年9月30日 10時) (レス) id: 895f1d2de6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年8月8日 15時

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