＊ ページ3
梶井の解体、あまりに残酷すぎる命令。
変更されたルールの中で起こった惨劇に、一同の視線はルールの提案者に向けられた。
「なにか？」
Aはシラーっとした顔で聞き返す。
「…君だよね」
「乱歩さん、証拠がありません」
「確かに、この状態で証拠なんてない。
でも、敢えて箱奥深くに紙を入れ、女子供が引かないようにして
そして好奇心が旺盛なものが引くように仕向けた手口。
それに加え与謝野先生の治療。
君、心当たりあるだろう」
「なんのことかさっぱり」
あくまでシラを切り通すAに乱歩は自白は無理だと悟る。
完全に油断していた。
Aがこの形式にゲェムを持っていったのは犯人が判らない中、
個人的な鬱憤をゲェムの範囲で晴らすため。
あまりに狡猾な手口に乱歩は苦い顔をした。
「さ、ゲェムを続けましょう？
…皆さんの中にも人のこと云えない命令を書いた人、居ますよね」
数名、目をそらした。
その様子にAは計画通り、と僅かに笑う。
「悪質…」
そんなことを云う太宰も随分エグい命令を書いたのだが。
こうして、安心だと思っていたゲェムが実は個人個人のストレス発散ゲェムだと判明した。
一部、普通の命令を書いた国木田や敦はガタガタ震えて。
「王様だーれだ！」
「…僕か」
「芥川先輩！頑張ってください！この樋口、陰ながら応援を！」
「五月蝿い樋口」
「すみません！」
絶対安全とは云えなくなった王様になってしまった芥川は嫌そうな顔で箱に手を入れた。
そして、適当に漁り紙を引っ張り出す。
「…五番が十三番に平手打ち」
「なんつー命令だ！！」
五番、十三番、あと命令書いた奴誰だと辺りを見回す。
すると賢治がはい、と元気よく手を挙げた。
「賢治、ち、ちなみにどっちだ？」
「五番です！」
十三番の死亡が決定した。
誰だ、誰だと騒つくと、震える手が上がった。
「僕、十三番です…」
青い顔をした敦がそこにはいた。
探偵社員一同、手を合わせる。
「それじゃあ、行きますよー！」
「賢治君！手加減して！お願い！！」
「えい！」
部屋に響いた音は平手打ちというより、爆発音だった。
吹っ飛んだ敦を芥川は鼻で笑う。
問題ないどころか、そこら中で発生しまくっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません！この作品めっさ好きです！ (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか？以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年7月22日 21時
