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二百一話 [DOGS HUNT DOGS] ページ1

武装探偵社は《天人五衰》に拐かされた人質を助け出すべく、
彼らが閉じ込められている洋館に向かった。
そこで敵を捕まえ、人質を救えば全てが終わるはずだった。



「全て、計画通りだ」



そこで待っていたのは、《天人五衰》の罠だった。
突入した先、《天人五衰》の一人、ニコライ・ゴーゴリが
人質とともに椅子に拘束され、鎖鋸に体を引きちぎられながら笑う。
突入した国木田達は何故か"敵"の服を着て、起動釦を押していた。



「君達探偵社は正義の化身だ。正直…その輝きに惹かれるよ」



ゴーゴリは何処か寂しげに云う。
その瞳の奥には揺らめく狂気が映っていた。



「一方《天人五衰》の計画は邪悪そのものだ。だが…だからこそ荷担する価値がある」



起動した鎖鋸が彼の体を締め上げ始めた。
肉が斬れ、血が流れ、骨が削れる音がする。
だが彼は苦しむ素振りも見せず、叫んだ。



「これは脱獄だ、道徳という生得的洗脳からの。
僕は幸福より魂の自由を叫ぶ!!」



そして彼は叫んだ、魂の解放の絶叫を。
誘拐された一人、斗南に叫ぶ。
それを聞いた斗南の顔色が変わる。
運命が、捻じ曲げられる音がした。


ー不楽本座ー


ー席に戻るのを嫌がることー



ー探偵社を、席に戻らせないことー



「《天人五衰》の正体は、武装探偵社だ!!」



真実が嘘に、嘘が真実になる。
本により書き換えられた運命が廻り始める。



「くっ…」



斗南の叫びに、国木田達は動揺を隠せない。
何故こんなところにいるのか、
何故自分達が人質を殺したのか、
何故、犯人にされたのか。
その時、与謝野が何かに気づき、国木田を突き飛ばす。



パァン!!



銃声と共に与謝野の肩が赤く染まる。
狙撃されている、そう瞬時に理解した国木田は呆然とする谷崎に叫んだ。



「異能で俺達の姿を隠せ!!脱出する!!」



ーもう、遅かったー



洋館付近に設置された監視映像を見ながら、少女は苦しげに呟く。
駄目だった、もう始まっていた。
探偵社は犯罪組織とされ、軍警の攻撃を受けていた。



「…くっ…」



白い手が悔しげに握り締められる。
静かな空間に、壁を殴る音が響いた。



「まだ、手はある…私が…力になるんだ…!」



壁に叩きつけた手から血が滲む。
それすらも気にせず、彼女はキーボードを叩き、文字を入力し始めた。



「絶対、生き残ってやる…!」

二百二話 [理想の終着点]→



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riia - こんなに長いお話は初めてみるので尊敬します!他の夢小説よりちゃんとしていてすごく面白いです!神作だと思います!大好きです!登場人物の性格もちゃんと掴めていて見ていて楽しいです!ほんとに文ストの中に居そうで違和感がありません!設定とか凄いと思います!! (2022年8月5日 16時) (レス) @page24 id: 9d716aa4c8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - †三毛猫†さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。泣いていただけたようで、書いているこちらとしてはとてもありがたい事です。とても嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2019年5月19日 12時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
†三毛猫†(プロフ) - 毎回、夢主ちゃんの過去のお話しで泣いてしまいます。こんなに感動できる物語がかける作者さんを尊敬してます (2019年5月18日 19時) (レス) id: a139b9767e (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - さくらかつきのようになりたい←さん» コメントありがとうございます。そんなに喜んでいただけるとこちらとしても書いていてよかったと思います。近々、第7章を出しますのでよろしければ読んでください。皆様の応援、大変嬉しいです。今後とも、この作品をよろしくお願いします。 (2019年5月18日 13時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
さくらかつきのようになりたい← - BEASTも楽しみにしてます!小泉ちゃんがどう活躍(?)するのか…アッダメだ私の脳じゃ思い付かない…!!(←)コホン…体調にも気を付けて、作者さんのペースで更新して下さい!(← 何か上からで済みません…!!)我々読者は何時までも待ち続けております!!長文失礼しました! (2019年5月17日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年6月9日 19時

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