55:抗議 ページ7
ーnoside
6的の射場を女子3人とコーチだけが使うと、矢がある限り引き続ける事になる。
いくら移動と矢取りの時間があったとしても、何回も同じ動作を繰り返すので身体には少なからず負荷がかかる。
それでも自分から休もうとしない部員を見た滝川は、10分間の休憩を挟んだ。
そして、早く矢拭きをしなくてもよくなった男子たちは、弓道場の扉前でゆっくり休みながら矢拭きをしていた。
そんな中、山之内と如月が頬を膨らませて言う。
山「あ〜マサさん全っ然引かせてくれないじゃん!!」
如「それな!女子だけずるいっしょ!」
この言葉が弓道場の中にいる滝川にまで届いているかは定かではない。
けれど2人にとってそれはどうでもよかった。
というのも、休憩前竹早が滝川に抗議し躱されてしまったから。
竹早が言えばきっとどうにかなると思っていた彼らは、この状況を諦めざるおえない。
それでも、小野木は諦めていなかった。
小「もっかいマサさんに言ってくる」
いち早く矢拭きを終えた小野木が矢を束ねて弓道場に戻ろうとする。
それを如月が制した。
如「やめときなってかっちゃん。静弥でも駄目だったんだよ?」
小「だからってずっと雑用ばっかかよ!
俺らは弓道しに来たんだぞ!」
如「そうだけどさぁ〜」
途端、扉の動く音が聞こえた。
5人が音のする方を見ると、弓道場から水の入ったペットボトルとタブレットを持ったAが出てきた。
彼女は何の悪びれもなく彼らに聞く。
『お疲れ様
どう?私の課題できそう?』
如「できそうも何も…」
小「弓引いてる訳でもねぇのに書ける訳ねぇだろ」
『へぇ』
否定も肯定もしないA。
それは彼女からは何もしない事、どちらの味方でもない事を表した。
Aはそのままタブレットを操作しながらペットボトルに口をつける。
その様子に、竹早は彼女に向き直って聞いた。
竹「…石崎さん、少しよろしいですか?」
『ん?』
竹「石崎さんは滝川コーチが本当に僕らを試合で勝たせようとしているように見えますか?」
『…!』
鳴「!?」
竹早の言葉は、その場の全員を驚かせた。
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白雪 - 初めまして、白雪と申します。ツルネの話が読めて嬉しいです。更新楽しみにしています! (12月26日 11時) (レス) id: c47909f85b (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!!数年前の一期の話ですが…気長に読んでいただければ嬉しいです! (7月29日 20時) (レス) id: 2bd9d8ee2e (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月29日 8時) (レス) @page17 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2023年4月2日 16時