10 ンダホとぺけたん�� ページ10
Aside
みんながいろいろしてくれて、私の生活も落ち着いてきたころ、シルクにあるパンフレットを渡された。学校、というものに行かせてくれるらしい。
…うれしい。
前にザカオと見たドラマで学校のシーンがあって、少し憧れていたのだ。
私はうれしくて、そのパンフレットをずっと見つめていた。
「ふふっ、楽しみ?」
ぺけたんに聞かれて頷く。
「たくさん勉強できるんだよね?」
「そうだよ。…そんなにうれしい?」
「うん!なんで?」
「いやあ…俺は好きじゃなかったからね〜」
…?
「どうして?」
ぺけたんはなぜか悲しそうに顔をしかめてから、微笑んだ。
「Aはきっと大丈夫だよ」
そう言って、頭を撫でてくれた。
最近ようやくひとりで入れるようになったお風呂を出て、自分の部屋に行こうと思ったら、ちょうど廊下でンダホに会った。
「あ、俺のＴシャツ着てる」
みんなに貰った古着を部屋着にしていて、今日はンダホが飽きてしまったらしい「ふとんがふっとんだ」と書かれたふざけＴを着てる。
「学校行くんだっけ?」
うん!と頷くと、頑張ってねとハイタッチしてくれた。
「ンダホは…学校行くの好きだった?」
「うん、友達と話すのが楽しかったからね」
「そっかぁ…」
ぺけたんは…なんで嫌いだったんだろう…。
そればかりが、頭の中をぐるぐるしている。
「どうしたの?A」
「ぺけたんがね、学校嫌いだったっていってた」
「…っ」
ンダホの笑顔が消えていくのが、すぐにわかった。
ンダホはため息をついてから、私の目線に合わせるようにしゃがんだ。
しばらくして、ンダホは口を開いた。
「ぺけ、いじめられてたんだよ、中学んとき」
「え…?」
「高校は分からないけど。ぺけたん、優しいからやり返したりできなくて、いつも責められてばっかだった。傷だらけになって授業受けてるときもあった」
私は、何も言うことができなかった。
とんでもないことを、軽率に聞いてしまった。
「…俺さ、ぺけがいじめられてんの知ってたのに、なにもできなかっ…」
「なに余計なこと話してんの」
ふいに声がして振り向くと、ぺけたんが立っていた。
「なあ、ンダホ。なんでそんな簡単にAにその話してんの?」
ぺけたんは近くまで来ると、見たことのない剣幕でそう言った。
「…ふざけてんじゃねーよ」
「…ご、ごめん…でもっ」
「もういいよ。うぜえんだって、そういうの」
ぺけたんは投げ捨てるように言うと、緑色のドアの中へと消えていった。
…嫌な予感しか、しなかった。
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ぬけ - メンバーカラーに間違いがありますよ。 (2021年3月21日 16時) (
レス) id: 327d12f359 (このIDを非表示/違反報告)
好美 - とっても面白かったです!続きがめっちゃ楽しみです！更新楽しみにしています！ﾖﾛ(｀・ω・´)ｽｸ！お願いします！ (2018年3月21日 10時) (レス) id: a5df8dade2 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 初めまして。表現が豊かで、展開が凄く素敵だと思いました…！更新も楽しみにしています。作者様のペースでいいので、頑張ってください(●´ω｀●) (2017年10月21日 14時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
魚軍団ファン - 面白いです！次が楽しみ。 (2017年7月16日 16時) (レス) id: 8764f628a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちっち | 作成日時：2017年7月14日 1時
