可愛い子猫にご注意を#1

8　ダーマの笑顔 ページ8

Aside
ある日の晩ご飯を食べたあと。
「A、ゲームしよ」
珍しく、ダーマが誘ってくれた。
うん!と返事をしてダーマに駆け寄ると、他のみんながぞろぞろとリビングを出ていくのが分かった。
くいくいっ、とダーマのＴシャツを引っ張って「みんな、どこにいくの」と聞いたら、無表情で「内緒」と言われた。
…ダーマが笑ってるとこって、そういえば見たことないかも。
そんなことを考えながらぼーっとしていると、コントローラーを渡された。
「どうやってやるの」
「ここが攻撃、ここが下がる、んでここが…」
「分かんない」
じっとダーマを見つめながらそう言うと、コントローラーを見ていたダーマの目が、ふっと私の目に移された。
…あ、目が合った。
と思ったら、すぐに離された。
…?
「ダーマ、顔が真っ赤だね」
「…うるせぇ」
「…つ、んでれ…?」
「…はあ?」
「ンダホが言ってた。ダーマはツンデレだって」
「…あの野郎…」
「違うの?」
「ちげぇよ」
少しの沈黙のあと、ダーマがゲーム機を片付け始めた。
「あれ、やめちゃうの?」
「お前にゲームは早かったわ」
片付け終わると、ダーマはソファーに座り直した。
「こっち来い。なんか話すか。お前、喋るの好きだろ?」
そう言うと、ダーマは一瞬だけニコッと笑った。
「…うん!あのね、この前ね…っ」
…ツンデレでも。
「へえ…それで?」
…とっても優しいみたい。

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