15 隣の席の○○くん ページ15
Aside
学校に入って、もうすぐ一か月が経つ。
結愛と誠子とはすっかり仲良くなったし、クラスの皆とも普通に喋れるようになった。
キーンコーンカーンコーン
チャイムと共に「席につけ〜」という先生の声が教室いっぱいに響いて、一斉に静まり返る。
いきなり高校というものに入ったから、授業についていけるか、モトキが心配してくれていたが、私は普通の人ではない。もともとは猫だし、急に人間界に仲間入りしたし。
だからこそ、私には場面によってその場面にあった対処法を一瞬で身につけることができた。
つまり、習ったことのないはずの数学や英語、書けないはずのひらがな、カタカナ、漢字、文章表現など、人間としてのある程度の知識が頭に入った状態に気づいたらなっていた。
だから、授業で困るということがない。悩みも今は全くない。
充実した日々を送っている。
六時間目。本日最後の授業は日本史。
ハゲ頭の先生が楽しそうに関ヶ原の戦いの一部始終を語っている。
また髪が減った気がするのは気のせいか…そんなことを考えながらノートを取っていると、「絹張」隣から声をかけられた。
隣の席の康太くんは、バスケ部のエースで女の子にとても人気があると、結愛が教えてくれた。
誠子はタイプじゃねぇ、の一点張りだったけど。
「消しゴム二つ持ってない？」
どうやら彼は消しゴムがないらしい。
「持ってるよ」
もしもの時に、とモトキが余分に入れておいてくれた消しゴムを渡す。
「サンキュ」
康太くんは爽やかに笑うとノートを取り始めた。
かっこいい、なんか分かる気がした。
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ぬけ - メンバーカラーに間違いがありますよ。 (2021年3月21日 16時) (
レス) id: 327d12f359 (このIDを非表示/違反報告)
好美 - とっても面白かったです!続きがめっちゃ楽しみです！更新楽しみにしています！ﾖﾛ(｀・ω・´)ｽｸ！お願いします！ (2018年3月21日 10時) (レス) id: a5df8dade2 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 初めまして。表現が豊かで、展開が凄く素敵だと思いました…！更新も楽しみにしています。作者様のペースでいいので、頑張ってください(●´ω｀●) (2017年10月21日 14時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
魚軍団ファン - 面白いです！次が楽しみ。 (2017年7月16日 16時) (レス) id: 8764f628a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちっち | 作成日時：2017年7月14日 1時
