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気がついたら舞台の上だった。
当時6歳。嵐デビュー5年目。
成人男性5人に囲まれ、お披露目会をした記憶がある。
よく分からないままステージに立つ。
今考えてみれば恐ろしい。
じいさんも何考えてんだか。
「お前は経験が少ないからダンススクールに通うのと大阪で関西の子と一緒に活動もしなさい」
じいさんから言われたので、やるしか無かった。
そのうち自分の考えを持ち始め、3年後顔出しと本名NGで声優＆ソロデビュー。
その界隈ではちょっとした人気者に。
嵐もデビュー10周年を目前にあれよあれよと国民的アイドルと言われるまでに。
感情が追いつかなかった。
そんな中、生まれて数回しかあっていなかった尚大と再開した。
まだ小さかった彼はもちろん私のことを覚えてはいなかった。
どうしようかとも思ったが、杞憂に終わりとても懐いてくれた。
私がダンススクールを辞めるとなった時は大泣きで、正直嬉しかった。
可愛い可愛い弟みたいな子がここまで慕ってくれるのは悪くは無い。
一人っ子で周りには兄貴的存在しかいない私にとっては特に。
「同じ舞台にいつか立と？まってるから」
本音を言うと無理だとは思ってる。
この世界は甘くない。
けど可能性はゼロじゃない。
彼は努力家だ。
努力することが出来る人間だ。
まだあんなに小さいのに。
月日は流れ、関西で仲良かった子が次々と辞めていった。
極めつけは親友が辞めると言い出した時だ。
「A、俺辞めようと思うねん」
「なんで！？皆みたいに離れるの！？」
「ちゃうよ。俺俳優やりたいねん。んで、いつかお前と同じ舞台に立つ。それが今の目標」
そんな前向きな発言をされたら止めるすべもなかった。
「何年、何十年かかろうとまたお前の隣に立つ。やから俺のことは笑顔で見送ってぇな」
「分かった。頑張れ龍規」
その辺からJr.と絡むことが減った。
元々人見知りの中龍規が和に入れてくれたのだ。当然だ。
昔から付き合いのある子経由でたまに新しく知る子もいるが、数は圧倒的に減った。
その分、ソロや声優業に力を入れた。
もちろん忙しくもなった。
顔も公表し、一躍話題とまでなった。
ドタバタしてる中、尚大のお母さんからメールが入った。
「尚大がオーディション合格しました。」
嬉しかった。純粋に。
けど、辞めていった仲間のことを思うとこの子もそのうちと思ってしまい
「おめでとう」
そんな言葉しか言えなかった。
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作者名：らび | 作成日時：2023年2月5日 16時
