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そんな俺を見たAちゃんは
「尚大、ようやくここまで来たね」
と誰も聞こえないように言った。
形容し難い気持ちってこういう時のことなんだなとハッキリと自覚した。
「さて、みんな今日は一緒に頑張るぞー！」
彼女のバックについて感じた事。
彼女は大き過ぎる。
俺は彼女に追いつけるのだろうか。
俺は彼女と接していい人間なのだろうか。
怖いと思った。
2ヶ月後、ジャニーさんにAちゃんをこのグループに入れると言われた。
それと同時に少年忍者という名前にそそくさと変わり、驚く暇もなくお披露目となった。
Aちゃんは知っていたみたいで皆によろしくねと言って同じステージに立った。
怖いと思ってたのに平然と同じ舞台にいるこの現実についていけなかった。
「尚大！なーーーおーーーー！！！」
「いた！！！！」
なんてつい最近のことなのに遠い昔の事のように考えていると湧に頭を叩かれた。
「何回も呼んでるのになんで返事しないの！」
「ちょっと考え事」
「まったく、Aちゃん機嫌悪いからあんまり刺激しないようにな」
何故か今日のAちゃんは機嫌が悪い。
あの環境で過ごしてきたAちゃんは精神的にも少し大人びているのでイライラしていてもあまり表に出さない。
なのに………どこか雰囲気に刺がある。
今日はローラーを使った稽古。
Aちゃんはローラー経験者なのでローラーを履いたままのアクロバットの練習中。
ドンッ！！！！
Aちゃんが失敗して肩を強打。
「クソっっっ！！！！！」
Aちゃんが悔しなりながら床を殴る。
「なになに！なんの音！？」
突然、北山くんが入ってきた。
「なんでもない。私が失敗して肩打っただけ」
そっけないAちゃん。
「あーあー、湿布あるから貼る？」
「貼る」
そう言うとおもむろに服を脱ぎ、上が下着1枚になるAちゃん。
「こら！A！少しは場所を考えろ！！」
赤らめいた顔になったり、おもむろに目をそらす子が周りにいた。
もちろん俺もあからさまに背を向けた。
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作者名：らび | 作成日時：2023年2月5日 16時
