君の背中は小さいのに大きいな (ページ2)

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数年後

俺は中学に上がると彼女と同じ舞台に立つという目標のためにオーディションを受けた。

結果は合格。

家族に伝え、母さん経由で彼女にメールを送って貰った。

「おめでとう」

その一言だけだったが、嬉しかった。

やっとスタートラインに立てたと思った。

けど、現実なそんなに甘くなかった。

彼女を1度事務所内で見かけたが見向きもされずに通り過ぎて行った。

NHKホールに彼女が単独で出ても周りにはたくさんの人がいて、彼女の目の中にすら入れなかった。

事務所に入って2年。

彼女はどんどん大きくなっていった。

体ではなく、存在が大きかった。

グループで国立に立ち、紅白にも立ち、

ソロでは声優をし、歌も歌い。

本当に忙しそうでプライベートでも会わなくなってしまった。

そんな中、ジャニーさんに呼ばれグループを組むことを聞かされた。

磐西Awithちびっこ忍者

中3にもなってちびっこが付くなんて思いもしなかったが、初めてのグループ。嬉しかった。

それと同時に彼女のバックで踊れる事がすごく嬉しかった。

「本日バックにつかせて頂くちびっこ忍者です。」

「よろしく…………ね」

俺と目が合ってビックリしたような彼女の顔はなかなか傑作だった。

けど、そんな俺を無視して彼女は別の子に話しかけた。

「ねぇ、君どっかで会ったことある？」

「えっと………迷子になった時に………」

「あ！！！思い出した！皇輝だ！！！！」

「覚えていてくださって嬉しいです！」

やっぱり男の子は成長とともに別人になるから分かんなかったよ〜なんてヘラヘラしながら言うもんだから

若干拗ね気味の俺。