君の背中は小さいのに大きいな (ページ1)

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1番古い君との思い出はダンススクールに通うことが決まった日。

「尚大、お姉ちゃんが一緒に帰ってくれるって」

母さんがそう言って隣の女の人を連れてきた。

「尚大くん、久しぶりだね？覚えてる？」

女の人は俺に目線を合わせて言った。

恥ずかしくなった俺は母さんの後ろに隠れた。

「あらら」

「ゴメンね、Aちゃん。最近人見知り激しいのよ」

当時俺は幼稚園の年長だった。

ダンススクールに通うにも両親が共働きで送り迎えに困っている中、同じダンススクールに通ってた5つ上のはとこに頼むことにしたのだ。

話の内容から当分あっていなかったのだろう

俺的には彼女に対する記憶は無いため初対面に等しかった。

いや、どこかで見た気もするのだが思い出せなかった。

「毎日テレビであなたの事をみてすごいすごいって言ってるはずなんだけどね」

「仕方ないですよ。衣装と私服だと雲泥の差ですし」

俺は恥ずかしい上にその会話を理解できなかった。

「ま、徐々に慣れてもらうとして
尚大くん、明日からダンススクールに一緒に行って一緒に帰るからよろしくね？」

「ほら、尚大！お姉ちゃんにお願いしますは？」

「お、おねがいします。」

恥ずかしかったから語尾が段々と小さくなっていったのは覚えている。

その日から約3年間

彼女が小学校を卒業するまである期間を除き送り迎えをしてくれた

「Aちゃん！こんな動きができるようになった！」

とか

「Aちゃん！学校でこんな事をした！」

など、あっとゆう間に彼女に懐いた。

彼女が中学を卒業すると同時にダンススクールを辞めることを知った時は大泣きをした。

「Aがいなくなるのやだーーー！！！！！」

などと、親だけではなく彼女を困らせた。

「尚大！Aちゃんも忙しいのは知ってるでしょ！わがまま言わないの！」

「でもやだなのーーー！！！」

来年小3にもなる故、そろそろ1人で行動させたい親の気持ちもあり決まったことだった。

「尚大」

「Aちゃんとずっと一緒がいい」

「同じ舞台にいつか立と？まってるから」

そう言って彼女とは年に1回会うか会わないかになってしまった。

今になって考えてみれば彼女はダンススクールさえも通うのが難しいくらい忙しかった。

なんせ彼女はグループでもソロでも活躍する国民的アイドルだからだ。