シスコン刀剣女士紫蘭の勘違いライフ!【刀剣乱舞・不定期更新】

3　敵さんとの遭遇 ページ3

とっさに近くにあった短刀を掴んで後退りする。
敵さんは2体、脇差と短刀だ。
私は戦いなんてしたことがない人間だ。刀剣で言えば練度1、いやそれ以下だろう。
対して敵さんは厚樫山の敵なら練度80〜99と戦える程度には強い。
私にはそんなのと対等に戦うことなんて―――出来ない。だから。

「逃げるが勝ちっ!!」

もちろんこんなの逃げ切れないだろう。
でも、どうにか持ちこたえて刀剣男士と合流できたら、勝機がある･･･!!


* * * * *

どれくらい時間が経ったんだろう。
走って、走って、走って。

尖った木の枝や草、そして敵さんの攻撃で体はボロボロ。
でもこの短刀のおかげで攻撃をどうにか防げたり、かすり傷程度だけど傷をつけられた。
でももうだめだ、あと一撃受けたら多分死ぬ。運が良くても二回程度。

――博打に出るしかない。

私には妹がいる。
妹の紫苑は私が死んだら悲しむだろう。
いや、もう一度死んでいるから悲しんでいるかもしれないけど。
紫苑に会いたい。
生きて帰って、
「心配かけてごめんね、大丈夫だよ!」
って、言うんだ。
だから――

「紫苑に会うためにも――ここで死ぬ訳には、いかないっ!!」

ああ、刀剣男士がいる。
遅い。私――


意識が、ぷつりと途切れた。

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