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第2.12話 二人には敵わない ページ13

「背がAより少し高くて、大人の力をはるかに超えた少年の泥棒?」


もっけはすっとんきょうな声をだした。
たぶんそれは、少年でも大人の力を超える者はいるのではないか。

それは少年とは限らないのではないか。
この二つが考えられるからだろう。


「うん。おじいさんは少年の声を聞いたと言っていた。
だから、間違いないと思う。それに、いちいち大人の力を

はるかに超えた、と言ったのだから、たぶん普通の人間より
力が強い……妖怪みたいな人だったんじゃないかな」


「ふぅん。それにその泥棒、店に入っておきながら何も
盗らなかったっていうんだろ。そこは何を売っている店だ?」

「……ふるい人形とか……綺麗なハンカチとかカップとか。
とにかくいろんな物が並んでいたから、多分……」

「……輸入雑貨かしら」


考え込みながら言ったスネリに、
同じことを思っていた私が頷く。


「水晶玉なんかもありそうだな」

「えっ」


思わず声をだしてしまった。
予想通り、二人はじろりとにらむ。


「…………」

「やっぱり、他にも何か隠していたのね?」


わ、わかっていたのですか。
スネリさん! あなたはエスパーですか!!


「うっ……」

「話して、A」


真っ直ぐにこちらを見つめるスネリの目に、
どうやら自分は弱いらしい。

観念して、全てを話すことに決めた私は口を開いた。


「……その店には緑色に光る、まさにその水晶玉があるの……」

「へえ〜、緑色に光るんだ。……A、
なんだっておいら達に、そういう大事なこと隠すんだよ」


「あははっ……ごめん。二人には敵わないよ。
ユイちゃんと約束していたから。私とユイちゃんの秘密にするって」

「……A、私達がここへ来た目的、それを忘れてはいないわよね」


目を伏せがちに言ったスネリ。

どこか後ろめたそうにしているのが気になったが
私は頷きながらその“目的”を言葉にする。


「妖怪を見つけて、妖界へ連れ戻す事……悠久の玉の行方を、探しだすこと」

「だったら……」


もっけは一言いうと、私の肩に止まった。


「驚かないで、聞いてほしいんだけどさ」

「……しずくさんの事?」

第2.13話 しずくの正体→←第2.11話 黒い犬と少年の声


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年9月21日 4時

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