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第2.10話 大人以上の力を持った少年 ページ11

特別な目……私はまさに
その特別な目……うず目を持っている。


「女の目は光の加減で黒や茶にも、赤や緑にも変わる
不思議な目だったという。あんたの目もそうだ。

意識して見ないと気づかないかもしれないが、
こういう暗い所ではかすかに緑色に見える」


緑色の目……普段の私の目は青。
緑色の目は姉さんの目と一緒だ。

姉さんの目は、深くて綺麗な緑色……
エメラルドのような目だった。


「まあ、まさかあんたがその女と関係があるとは思わんが。
この話を聞いたのも、なにかの縁だろうと思ってくれれば良い」

「おじいさんはその水晶玉に願い事をしたのですか?」

「いいや、わしは一生しない」


「ユイちゃんはその水晶玉を買って、願い事をしたいと言っていました」

「そうか……。そういえば、ユイはどうした。一緒じゃないのか」


「ユイちゃんは火傷をしてしまって。
病院に運ばれたけれど、今朝、退院したらしいんです」


心配で家の方にも行ったが、留守だったのだ。


「……大丈夫でしょうか」


「退院したのなら、大した事ないのだろう。
にくたらしいところもある奴だが、あいつを見ていると、
放っておけなくてな。いじっぱりなくせに、さみしがりやだ」


「そうなんですか」


「この水晶玉。泥棒はこれが目的だったのだろう。
ドアを開けて、看板を出していたところを後ろからはがいじめにされた。

目隠しをされたから、顔も見られなかったが。
手の位置から、あんたよりは少し背が高いのがわかった。

それで、大人の力をはるかに超えるような奴だった。
しかも『水晶玉はどこか』と聞いてきた声は、少年のようだった」


「少年なのに、大人の力をはるかに超えたような人……」

「気を失ったふりをして、答えなかったが。帽子を触られたので
てっきりばれたと思ったが、奴はわからなかったらしい」

「…………」

第2.11話 黒い犬と少年の声→←第2.9話 命の水晶玉 祝40個目!!


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年9月21日 4時

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