８ ページ8
総｢ごめん、こんな時間に｣
｢ううん、構わないけど…｣
総｢お茶、点てさせてくれない？｣
馬鹿なのは分かっていた。
こんな時間に突然押しかけて何言ってんだろうって自分でも思う。
｢お兄ちゃんの点てたお茶、久しぶりに飲みたいな｣
にっこり笑う妹に微笑み返す。
.
八年前ー
俺は小学四年生、Aは二年生。
あの時俺が点てたお茶は駄目だしばかりくらっていた。Aだけは、美味しいと言って全部飲んでくれたけど。
.
総｢どうぞ｣
右手で茶碗をとり、左手にのせ…としっかり手順通りにお茶を飲むA。
｢おいしい…｣
目を見張って茶碗を見つめる仕草に、心から出た言葉なのだと嬉しくなる。
｢結構なお点前で｣
一つ一つの所作が洗練されていて美しい。
総｢綺麗な所作だな…昔教えてもらったの覚えてんの？｣
｢覚えてるのもあるけど、お茶の事はずっと勉強してたんだ。一応、茶道家元の娘ですから｣
得意気に笑う表情も、どこか幼くて可愛らしい。
｢あのね、お兄ちゃん…｣
総｢うん？｣
｢わたし、どうしても聞きたい事があって…｣
総｢何だよ、言ってみ？｣
深く息を吸って覚悟を決めたような顔でこちらを見てくる。
｢お兄ちゃんって女ったらしなの？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココナ - 凄いです！面白すぎます！忙しくてそれどころじゃないのかもしれませんが、更新楽しみにしてます！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: 7ce03a7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
みつき - とても面白かったです！続きが気になります (2018年7月4日 14時) (レス) id: a34d5af990 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - すごーく面白かったですだからまた続きを書いてくださいね！！応援しています！！ (2018年6月18日 21時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
深青(プロフ) - Emiさん» 花男はすんばらしいですからね、、いいもの書けるように頑張ります！！＾＾ (2017年8月17日 18時) (レス) id: 0b3d79931a (このIDを非表示/違反報告)
深青(プロフ) - るうさん» まだまだこれからですよ〜（笑）どんどんハマってって下さい！＾＾ (2017年8月17日 18時) (レス) id: 0b3d79931a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：深青 | 作成日時：2017年8月17日 13時
