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扉を開くと文字通りの非常階段。
ぱっと見、誰もいないみたい。…うん、なかなか良いリラックススポットかも。
肩がすうっと軽くなった気がして、足取りも軽く階段を降りてみるとそこからは英徳の広大な敷地がよく見えた。
「だだっ広いなぁ〜。ここも」
頬杖をついて溜め息を吐き出すと斜め下からなにか物音が聞こえた。思わずそちらの方を向くと
「類くん!?」
欠伸をしながら猫のように伸びをする彼がいた。
類「あれ、来てたの?」
ふんわりと柔らかい笑顔に私も自然と気持ちがあったかくなる。
「人がいなさそうな場所、探してたの」
類「へぇ。…俺みたいな事言うね」
可笑しそうに笑う仕草が懐かしくて嬉しくなる。
「類くんは、よく来るの?非常階段」
類「そ。ここ、俺の場所だから」
静かで寝やすいんだ、と独り言の様に呟く横顔に見惚れる。
類「でもこれからは、俺とアンタの場所か」
何気なく類くんが言った言葉にもおかしいくらいに胸の鼓動が止まらなくて。
「また来ていいの?」
類「当然。ていうか来て」
そう言いながらゆっくりと瞳を閉じる彼に
私はもうこの時から夢中だった様な気がする。
いつの間にかここに来る前の嫌な気持ちも全部なくなっていたんだから。
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ココナ - 凄いです!面白すぎます!忙しくてそれどころじゃないのかもしれませんが、更新楽しみにしてます! (2022年7月3日 8時) (レス) id: 7ce03a7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
みつき - とても面白かったです!続きが気になります (2018年7月4日 14時) (レス) id: a34d5af990 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - すごーく面白かったですだからまた続きを書いてくださいね!!応援しています!! (2018年6月18日 21時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
深青(プロフ) - Emiさん» 花男はすんばらしいですからね、、いいもの書けるように頑張ります!!^^ (2017年8月17日 18時) (レス) id: 0b3d79931a (このIDを非表示/違反報告)
深青(プロフ) - るうさん» まだまだこれからですよ〜(笑)どんどんハマってって下さい!^^ (2017年8月17日 18時) (レス) id: 0b3d79931a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:深青 | 作成日時:2017年8月17日 13時