#11 ページ13
何も話すことがないから、きっと気まずくなるだろうなと思っていた。
しかし、きんときくんは話題を途切らせることがなかった。
私が話しやすいようにしてくれたのだろう。
ちょっと冷えるね。なんて言えば、部活で使ったという青いジャージを貸してくれた。
「くさかったらごめんね」
なんて苦笑いしながら言うもんだから、しれっと嗅がせていただいた。
そんな一つ一つの優しさが、私を貴方という沼に沈めていることに、早く気付いてほしい。
──────
───
結局、彼は私を家まで送ってくれた。
『送ってくれてありがとう』
『遠回りじゃない？大丈夫？』
彼の家を知らないため、最寄り駅なのかも何もかも分からない。
「俺もこっち方面だから大丈夫だよ」
そう言われ、彼に迷惑をかけていないことにほっとした。
「じゃあまた明日」
『うん！また明日』
明日も会ってくれるんだと心躍らせながら手を振り、私は扉を開ける。
家に入るまで様子を見てくれていた彼にもう一度手を振り、扉を閉めた。
一緒に帰ったという幸せに浮かれ、ジャージを借りていたことを忘れていた。
まだ遠くに行っていないだろうと思い、扉を開け外に出る。
さっきの進行方向を見ても、誰もいない。
そんなに歩くのが速いのか、と肩を下げながら反対方向に視線を移す。
そこには、夜に混じりそうな黒髪があった。
きんときくんは、きっとこっち方面ではない。
朝、1度も会ったことがないので、恐らく最寄り駅も違うだろう。
なのに、嘘まで着いて家まで送ってくれた。
その優しい嘘に心を締め付けられ、脳内にある英単語が、きんときくんとの出来事に変わった。
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ののあ(プロフ) - まりんさん» ありがとうございます！この後のお話をつくるつもりはなかったのですが、気が向いたらつくろうかなと思います！私自身も嫉妬するknさんを見たいところではあるので頑張ります！ (2022年11月26日 22時) (
レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
まりん - とっても面白かったです！！この後のお話とか出るんですかね？楽しみです！個人的にはsmさんと雫さんが奪おうとするのが見たいです！！更新頑張って下さい！応援してます❣️ (2022年11月24日 19時) (レス) id: b747b8200d (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - 愛璃さん» ありがとうございます！！そういってもらえるような作品が作れて良かったです😭そうなんです！！！気づいていただけてめっちゃ嬉しいです！自分でもいやモテすぎやろって思ってましたw次回も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年11月17日 18時) (レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
愛璃(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！とても素敵なお話でした…！！各視点で本心が分かった時は驚いたし17話のsmさんの帰ったけどはもしかして独占欲だったんですか…！knさんと結ばれてとても嬉しいですが夢主ちゃんを狙う子は沢山居ますね…w次回作も楽しみにしています！ (2022年11月14日 18時) (レス) @page19 id: cc5155de71 (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - 葡萄ゼリーさん» ありがとうございます！！好きと言う言葉だけで何倍も元気でます︎👍🏻 (2022年11月14日 18時) (レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののあ | 作成日時：2022年10月2日 21時
