彼達の物語はとても (ページ5)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:4,794 hit

戦争なんてさ　愛の戦士ページ5

「俺たちどうしてこんなことしてるんだろうね」
「こんなことって、兵士の訓練のことか？」
「うん」
ごりぞえがいきなりそんなこと言い出した今更何言ってんだよ
「だってこんな腐れた国のためにたくさんの人が死んでるんだよ」
「一応祖国だぞ、自分が生まれた国のために命が捨てられるんだ本望だろ」
「俺はこんな国のために死ぬだなんて嫌だ…」
そういやごりぞえはこの国が嫌いだったな、俺は好きだぜ普通に
「だからさ愛ごり、俺と逃げない？こんなとこから」
「…は？、マジで言ってんのか？」
「かわぞえさんは嘘つかない」
「けどそれは祖国を裏切ることになるんだぞ…いいのか？」
「俺はこの国嫌いだし愛ごりもこんなこともうやめたいだろ！だからさ一緒に逃げよう！」
ごりぞえはほんと後先を考えないで行動するな
「逃げた後どうするんだよ」
「あっ…まあなんとかなるじゃろ！」
「まぁいいよ逃げようか、ここの飯おいしくないしこれ以上練習したくないし」
「！！じゃあほらはやくいくよ！」
「えっ！？今から！？」
「あたりまえじゃろ！今は見張りも少ないし簡単に出れる！！」
「はぁ…わかったよ、行こう」

あの時無理にでも止めておけばよかったんだ、止められなくてもいい次の日、いや少し時間をずらすだけでも運命は変わっていたのかもしれない

「案外簡単に抜け出せるもんだね！」
おかしいどうして見張りもそれどころか誰も居なかったんだ、一切人の気配がしなかったんだおかしすぎる、兵士の訓練をしている奴は数えきれないほどいるというのに
「ん？どうかした愛ごり？」
「いや、おかしくなかったか？人が居なさすぎるんだよ気配もしない」
「そりゃあみんな寝てるんじゃない？」
「見張りも居なかったんだぞおかしいだろ」
「まぁ大丈夫だろ！大丈夫！このままこの森を抜ければほかの国に出るんだがんばろ！」
「あぁ…」

「愛ごりって魔法とか信じる？」
「信じるわけないだろ」
「そっかぁ～俺は結構信じてるんだ、すごくない？ほうきとかで空飛ぶんだよ！かっこいいじゃん！」
「まぁ、そこは少し憧れるかも」
「だからさ～かわぞえさんもし生まれ変われたら魔法の国に行きたいの！」
「ふーん、まぁごりぞえも行くなら俺もついてくよ」
「あっ！もう少しで隣の国つくよ！」
ごりぞえは草むらをかき分けて足を一歩踏み出していた
それと同時に銃声が響いた
目の前が紅く染まった
ごりぞえが倒れていくと同時に全身に激痛が走り意識が途絶えた