彼達の物語はとても (ページ4)

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17時　スナザメページ4

今日もあの人に会えるだろうか
会えたらうれしいなと思いつつ僕はいつもの場所であの人を待っている
あの人は僕に魔法を教えてくれた人僕の先生的な存在でとても信頼している
昔学校には行っていたのだが、色々あって行けなくなってしまった
だから今はあの人が僕の先生
そろそろ17時だもう少しで来るはず
「すいませんスナザメさん待ちましたか？」
「大丈夫ですよ！自分も今来たとこですし！」
「そうだったんですか！じゃあ魔法の勉強しますか！」
「はい！３雲さん！」

「スナザメさん魔法を使うの上手になってきましたね！」
「本当ですか！」
「本当ですよ！教えるたびにドンドン上手になってますよ！」
「ありがとうございます！！」
こんなこと言われたのは初めてで俺はとっても嬉しかった
学校では存在なんてないような扱いでがんばっても認められなくて
だから努力なんて無駄だって思ってたけど
やっぱり褒められると嬉しいなぁ
「ちょっスナザメさん！？どうしたんですか！？」
「いえっなんでもないです！もっと光の魔法練習します！」
「その調子でもっと頑張ってください！」

この日常が続いてくれと何度思っただろうか

この日常が続いてくれと何度願っただろうか

今日も17時にと３雲さんから連絡がきた
普段は連絡なんてせず17時になったら行くという感じだったので正直驚いた
僕は３雲さんを待たせるのが嫌だから早めに行く、今日もだ

いつもの場所に行くとそこにはもう３雲さんがいた
「あれ？珍しいですね３雲さんがこんな時間に来てるなんて」
「え、えぇたまには早く来ようかと思って」
なんかいつもの３雲さんと違う、心なしか体が震えている
寒いのかな、いや違う寒さじゃないな大体ここはあったかいし何か別の理由だ
「どうかしたんですか３雲さん？」
「なんでもないですよ、魔法の練習しましょうか」
「は、はい」
その声は普段の優しい声ではなかった
冷たく何かに怯えているような、なにか言いたくないことを隠している時の声

練習の終わる頃何も話さないでずっと下を向いていた３雲さんが口を開いた
「スナザメさん」
「なんですか３雲さん？」
「僕ね」

「戦争に行くことになりました」