彼達の物語はとても (ページ2)

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こんな世界に俺は必要？稲野ページ2

俺は昔からこの街にいる、物心ついた時からもしかしたら生まれたときはここで生まれたのではなく別の場所で生まれて引っ越してきたのかもしれない
生まれたとき一番最初に吸った空気は永遠に肺に残るというが自分の体にこの街の空気がずっと残っているというだけで吐き気がしてくる
それほどこの街が嫌い
表はとてもきれいな街だが裏は人間のキタナイ部分が集まったキタナイとてもキタナイ街
自分が一番大切、ほかの奴らは自分の踏み台という考えの金持ちども
ほかの奴らとは共存なんて考えずこいつらも自分が大切であり明日生き残るために必死で食料を調達している貧乏ども
どいつもこいつも汚い汚い汚い汚い
そういう考えをしている自分が一番汚い
相手のいい所なんて見ないで俺もあいつらと一緒自分が一番大事で自分以外
けど誰かに認められたくて無駄に頑張って
ほかの奴らになんて認められるわけないのに
自分のことは自分が一番認めてるじゃないか
違う、俺は誰かに認められたいんだ
自分で認めてもそれは俺が存在している理由にはならない
自分は本当に自分なのか
それとも別の誰かなのかわからない
俺には分からないんだ
認めて
俺を認めて

そして

愛して

溺れるほどの

愛を

俺にください

確かに俺はこの世界は嫌いだ

けどそれは汚いからではないんだ

自分を認めてくれない世界が嫌いで

自分を愛してくれない世界が嫌いで

だからこの世界を嫌ってるんだ

すべて自分が悪いのに

自分が悪いのに

一番汚れているのは俺なんだ

神様、俺はこの世に入りますか？