ポックリ逝って文スト×４

ポックリ４０ ページ40

駄作者「長くてすまんな」



背中からは黒い翼が生え、左手は指先から黒く染まっていた

そして左手だけ少しばかり巨大化しているようだった

例えるなら芥川の叢だな



自分の胴を見れば、血が滴っていた

ゆっくりとした動作でシャツのボタンを外す



枯『・・・んだこれ』



そこに皮膚や内臓はなく、ただ、骨だけが残されていた

突き出た肋骨はただ、すでに停止している心臓だけを醜く守っていた

黒く染まった手をよく見れば、鋭い鉤爪が生えていた



そして口内に違和感



舌で確認すると、いつもの歯はなく、肉をも食いちぎるであろう鋭いものに変わっていた



《ｻﾞ・・・そ・・・枯・・・枯巣哭捜査官、その状態で異能を使えますか》


ズボンのポケットに手を伸ばす

試しに家に鍵を取り出そうとする

すると、手を入れる前に手元に鍵が現れた


枯『・・・こちら枯巣哭、異能は使えますが強力化されており、少々制御が難しくなっています』


《返答を確認。意識はあるようですね。

では即刻異能を解除し、本部へ戻って下さい

今起こったことを全て報告書にして提出するように》


枯『了解』



部屋の隅を見ると東が座り込んでいた

そちらへ進む


枯『東』


優しく声をかける


水「累音お兄ちゃん・・・大丈夫？」

枯『ああ、大丈夫だ』



東は顔を上げ俺を見ると、安心した表情を浮かべた



水「待ってて！今解除するから！」




一時異能は解除されたがやはり後遺症がわずかに残った

なぜ分かったか

それは家に帰ってからのことである




枯『はぁ・・・ただいま』


靴を脱いで家に上がる

鞄と上着をソファーに投げて寝室へ向かう

あとで種田さんに怒られるだろうが今はどうでもいい

とにかく疲れたのだ


シャツを脱いでそこらへんに投げる

流石にさらしはとらんが


そしてそのままベッドに身を投げる

ベッドの上に花弁が散らばっていたが、犯人は分かっている


誰かが腕を突いた

視線だけを向けると、一羽の鴉がそこにいた



枯『雅』

「お疲れ。花弁は気に入って貰えたかな？」

枯『うん、いい匂いだねぇ・・・て！』



驚いて雅を見る

今こいつ喋ったよな？！



雅「どうしたの累音。私の顔に何かついてる？」

枯『お前・・・喋れたのか』

雅「違う。逆だ。累音が私の言葉を理解してるの」

枯『は？』



雅によれば、実験室の前で俺を待ってた所、

異能の影響にかかってしまったようだ


雅、カワボだった

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