ポックリ逝って文スト×４

ポックリ２ ページ2

累音side

帰り道




『そんじゃーなー！』


猫『バイバーイ』




途中で友の黒羽と別れ、あとは家に真っ直ぐ帰るだけ・・・


そう思って何時もの様に裏路地に入る





右、右、左、右・・・・



複雑な道を慣れた足取りで進む

あともう少しで路地から抜ける、そう思った



前方に人影が見えた

夜の闇と夕焼けの灯りが逆光で顔を隠す




((ドンッ




その人とぶつかった

可笑しい、こんな至近距離でぶつかる訳・・・


咄嗟に謝ろうとしたけど、声が出ない




『ぅ、あ・・・・？！』




聞こえた自分の掠れた声

左胸に走る激痛

何か液体が床に落ちるような湿った音がした


刺された？



『ぃ、た・・・・・い』






数秒経っても尚、其奴は更に短刀を僕の左胸に深く、深く突き刺したまま動かない


それから追い討ちをかけるように

相手がナイフを胸に刺さったまま回転させながら奥へと捩じ込んだ


肋骨が嫌な音を立てる

心臓が抉られる



左胸がじわり、と熱を増す

ドクドクと溢れ出す液体は体を伝って地面に落ちる


体に力が入らなくて座り込む



溜まっていた涙が血溜まりに呑まれる




『ぁ・・・』



だんだん意識だ薄れていく

視界がぼやけ、痛みがスッと解ける



最期に僕の目が写したのはきっと




西から焦げて行く空と


その灯りが照らす


親の、顔・・・





そして僕は息の根を血溜まりに沈め









やがて動かなくなったようだ

ポックリ３→←NETA　NOTE

ラッキー野郎

茶々

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す