愛故に気づいてはいけない。 ×in (ページ11)

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意味がわからない。

「何なんだよ。本当に。なんで止めるんだよ。」

そいつはさっきと同じ様に溜息をついて、

「人が、目の前で死んだら困る。ただそれだけだよ。
」

ちゃんと、考えろ。そう、彼はさっきの俺のように、

今度は俺じゃなくて目の前の奴が睨んできた。

「それと、1つ言わせてもらうけど。」

「俺、先輩だからタメ口とか失礼でしょ。」

そいつのネクタイの色を見る。

青色だ。

青色のネクタイは、3年生の証拠。

因みに、俺のネクタイは赤色。2年生の証拠だ。

「そんなの。…知らない。」

「そこは、普通謝る所じゃないの？

それに俺、死のうとしてたお前を助けたんだよ？」

「助けてなんて、行ったつもりないし。意味わからない。」

そいつは、生意気かよと呟き特徴的過ぎる髪の頭を掻き、

急に深い溜息をつく。

「なんで、飛び降りようと思った訳？」

「………できなくなったから。」

「え？」

「サッカーできなくなったから。」

なんで、そいつに話したのかは分からない。

なぜだか、わからないけどコイツなら話しても良いかも
なんて思ってしまった。

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